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原子軌道の混成 II

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化学
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Hybridization of Atomic Orbitals II

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03:35 min
September 03, 2020

sp3d およびsp3d 2 混成

三角両錐の配置で5つの結合軌道を記述するためには、5つの電子価殻の原子軌道(s軌道、3つのp軌道、1つのd軌道)を使用しなければならず、これにより5つの sp3d混成軌道が得られます。6つの混成軌道の八面体配置では、6つの価電殻の原子軌道(s軌道、3つのp軌道、および価電殻のd軌道のうち2つ)を使用しなければならず、これにより6つのsp3d 2混成軌道が得られます。これらの混成軌道は、価電子帯の小軌道にd軌道を持つ(つまり、第1周期や第2周期のものではない)原子でのみ可能です。

五塩化リン(PCl5)の分子では、5つのP-Cl結合(したがって、リン原子の周りの5組の価電子)が三角両錐の角に向かっています。3s軌道、3p軌道、3d軌道のうちの1つを用いて、P-Cl結合に関与する5つのsp3d混成軌道のセットを形成します。他にもSF4の硫黄原子、ClF3やClF4+の塩素原子などがsp3d混成を示す原子です。

六フッ化硫黄(SF6)の硫黄原子は、sp3d 2混成を示します。六フッ化硫黄の分子は、6個のフッ素原子と1個の硫黄原子を結ぶ6組の結合電子を持ちます。中心となる原子には孤立電子対はありません。6個のフッ素原子を結合させるために、3s軌道、3p軌道、3d軌道のうちの2つが6つの等価なsp3d 2混成軌道を形成し、それぞれが8面体の異なる角に向けられます。他にsp3d 2混成を示す原子としては、PCl6のリン原子、ハロゲン間化合物IF6+、IF5、ICl4、IF4のヨウ素原子、XeF4のキセノン原子などがあります。

このテキストは 、 Openstax 、 Chemistry 2e 、 Section 8.2 : Hybrid Atomic orbitals から引用されています。