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8.12: ATP収量
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ATP Yield
 
書き起こし

8.12: ATP収量

細胞呼吸では、グルコース1分子あたり30〜32個のATP分子が生成されます。このATPの大部分は酸化的リン酸化と電子伝達系(ETC)によるものですが、あらかじめ4個のATPが得られています(解糖系から2個、クエン酸回路から2個)。

ETCはミトコンドリアの内膜にあり、4つの主要なタンパク質複合体とATP合成酵素から構成されています。NADHとFADH2はこれらの複合体に電子を渡し、複合体はプロトンを膜間に送り込みます。このプロトンの分配により、膜の上に濃度勾配が生じます。この濃度勾配によって、プロトンがATP合成酵素を介してミトコンドリアマトリックスに戻ってきて、ATPが生成されます。

NADHが複合体Iに2個の入力電子を渡すごとに、複合体IとIIIがそれぞれ4個のプロトンを、複合体IVが2個のプロトンを、合計10個のプロトンを送り出します。複合体IIは、NADHによって開始される電子伝達系には関与しません。しかし、FADH2は複合体IIに2個の電子を渡すので、FADH21個あたり、複合体IIIを介して4個、複合体IVを介して2個、合計6個のプロトンが送り出されることになります。

1分子のATPを合成するのに4つのプロトンが必要です。NADH の場合、1分子に対して10個のプロトンが送り込まれるので、NADH1分子あたりで2.5(10/4)分子のATPが得られます。一方FADH2の場合、1個に対して6個のプロトンが送り込まれるので、FADH21分子あたり1.5(6/4)個のATPが得られます。

細胞呼吸では、グルコース1分子あたり最大10個のNADHと2個のFADH2が生成されます。1個のNADHで2.5個のATP、1個のFADH2で1.5個のATPが生成されるので、酸化的リン酸化によって25個のATP+3個のATPが生成されることになります。酸化的リン酸化の前に4つのATPが生成されるので、グルコース1分子あたり最大32分子のATPが得られます。

重要なことは、解糖は細胞質で行われ、ETCはミトコンドリアにあるということです(真核生物の場合)。ミトコンドリアの膜はNADHに対して透過性がないため、解糖で生成された2個のNADHの電子をミトコンドリア内にシャトルする必要があります。ミトコンドリア内では、電子はNAD+やFADに渡されます。電子伝達体によってATPの収量が異なることを考えると、細胞呼吸の総収量はグルコース1分子あたり30〜32ATPとなります。

Tags

ATP Yield Cellular Respiration Glycolysis NADH Pyruvate Oxidation Citric Acid Cycle Oxidative Phosphorylation Electron Carriers ATP Production Intermembrane Space Mitochondrial Membrane Energy Production Glucose Molecule Electron Transport Chain (ETC) ATP Synthase Protons

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