細胞の継代

Basic Methods in Cellular and Molecular Biology

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Summary

細胞株は短時間で培養でき、実験解析に必要な細胞型を増殖可能であるため、生医学実験に頻繁に利用されます。初代細胞と同様の条件下で培養されますが、いくつかの重要な基本的な相違点があります。: (1) 各細胞株には特殊なサプリメントが必要となります。(2) 細胞株は突然変異により無限に増殖可能であり異常増殖が起こりやすいため、初代細胞に比べ厳密にモニターしなければなりません。そのため細胞株が培養容器の底面をほとんど覆う、あるいは約90%コンフルエントの状態になったら、細胞を再懸濁し、洗浄して実験に用います。後で使用するために冷凍保存、又は新たに増殖させるため新しい培養容器に播種することもできます。

このビデオでは、細胞の健康状態を確認するための指示薬の使い方、接着細胞を培地から剥離するための適切な試薬、器具の説明、適切に増殖させた細胞を実験用に準備するための様々な方法をご覧いただけます。さらに、支持細胞(細胞株へ必須成長因子を提供する役割をもつ)の培養方法、一度に大量の細胞株を増殖させる方法も紹介しています。

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JoVE Science Education Database. 細胞生物学・分子生物学の実験法の基礎. 細胞の継代. JoVE, Cambridge, MA, (2018).

分子クローニングとは、原核生物又は真核生物由来の組み換えDNAを”運び屋”となるプラスミドやウイルスベクターに挿入し宿主内で複製させる一連のテクニックです。クローニングとは、目的遺伝子のDNA断片を大量にコピーすることを意味します。このビデオでは、分子クローニングの様々な工程のセットアップ方法、またこのツールのいろいろな応用例を紹介していきます。

クローニング開始にあたり、少なくとも2つのDNA分子が必要となります。一つ目は、最も重要となる、クローニング対象のDNA断片です。これはインサートと呼ばれます。原核生物、真核生物、また絶滅した生物に由来するもの、あるいは実験用に人工的に作られたものがあります。分子クローニング法は、特定遺伝子の役割解明につながります。

二つ目は、ベクターです。ベクターとはプラスミドDNAであり、分子生物学では、大量のコピーを作製し、遺伝子からタンパク質を生成するためのツールとして利用されます。プラスミドは、環状の過剰染色体DNAでありバクテリアによって複製されます。

通常、プラスミドにはマルチクローニングサイト、MCSがあり、複数の制限エンドヌクレアーゼ、又は制限酵素の認識部位領域を持っています。ライゲーションにより、複数のインサートをプラスミドに組み込むことができます。またプラスミドベクターには、複製起点があり、バクテリアに導入後ここから複製が開始されます。さらにプラスミドには抗生物質耐性遺伝子が含まれています。バクテリアがプラスミドを取り込んでいれば、抗生物質を添加した培地でも生育できます。これにより形質転換に成功したバクテリアの選別が可能になります。

インサートとベクターを宿主生物内でクローニングします。分子クローニングで最も頻繁に利用される宿主は大腸菌です。増殖が速いため利用しやすく、様々なクローニングベクターが購入可能です。また、酵母などの真核生物も宿主生物として利用できます。

一般的な分子クローニング法の最初のステップは、目的のインサートを獲得することです。これはあらゆる細胞のDNA又はメッセンジャーRNAから得られます。次にインサートの種類と最終目的に応じて最適なベクターと宿主生物を選択します。そしてポリメラーゼ連鎖反応又はPCRを利用しインサートの複製を行います。

次に一連の酵素反応により、インサートをベクターに組み込み、宿主細胞に導入すると、大量複製を開始できます。複製されたベクターをバクテリアから精製し、ゲル解析を行います。ゲルから精製したDNA断片のシークエンシングを行い、インサートが目的のDNA断片であることを確認します。

それでは実際に分子クローニングの工程を見ていきましょう。実験室で実際にクローニングを試みる前に、まずは各自で実験戦略を立てて下さい。例えば必ずと言っていいほどプラスミドベクターにはマルチクローニングサイトの認識部位に限りがあります。そのためインサートと適合せず、うまく挿入されない場合があります。また、平滑末端を突出末端に連結させなければならない状況に直面するかもしれません。その場合は、クレノウ断片で平滑化を行った後にライゲーションをすることで、インサートを目的のベクターに組み込めるようになります。クローニング実験開始前の入念な計画と共に、様々な分子クローニングのツールを知っておくことが、膨大な時間の節約につながります。

分子クローニングの目的となるDNAは、ほとんどの細胞又は組織サンプルから、単純な抽出テクニックを使って単離できます。単離後はPCRで目的のインサートを増幅します。

増幅後、そのインサートとベクターを制限酵素又は制限エンドヌクレアーゼで処理します。

酵素処理後、インサートとベクターのゲル電気泳動を行い、その後ゲルから精製します。ベクターに関しては、この工程により、 線上化プラスミドを高分子量の領域に現れる切断されていないプラスミドから精製することができます。

ゲルから精製後は、 DNAリガーゼという酵素を利用し、インサートをプラスミドに連結します。

一般的に、インサートとベクターを3対1の比率で混合すると効率的にライゲーションが行えます。この比率で、ベクターのセルフライゲーション確率を下げることができます。ライゲーション反応は氷上で開始し、14-25℃で1時間から一晩インキュベートします。

次の工程は形質転換です。プラスミドベクターを宿主内に導入し、複製させます。

形質転換したバクテリアを抗生物質を添加した寒天培地に播種したら、一晩、37℃でインキュベートします。プラスミドには抗生物質耐性遺伝子が含まれているため、抗生物質が存在する寒天培地では、形質転換に成功したバクテリアのみがコロニーを形成します。そのコロニーを形質転換用培地から番号を付けたチューブ内の液体増殖培地に移し、シェーカーを使ってインキュベートし増殖させます。少量の液体培地を番号を書いた寒天培地に加え、残りの培地はプラスミドの精製工程に進みます。

番号を付けておくことで、バクテリアが形成したコロニーがどのプラスミド由来のものかが分かり、その後のプラスミド精製工程に役立ちます。

次にプラスミド精製を行ったサンプルを制限酵素で切断後、ゲルにロードし、電気泳動を行います。バクテリアのコロニーがセルフライゲーションプラスミドでなく、目的のインサートを含むプラスミドで形質転換されていることを確認します。インサートを含むプラスミドによる形質転換の成功が確認されたら、そのバクテリアはさらなるプラスミド精製のために増殖させます。最終ステップでは、シークエンシングを利用し、目的の遺伝子がクローニングされていることを確認します。

分子クローニングは、数多くの研究に利用されています。鋳型mRNAから逆転写酵素を用いた反応によりcDNA、又は相補的DNAを合成します。そのcDNAをPCR法で増幅し、特定の細胞で発現させ、cDNAライブラリーを作成するために分子クローニングが利用されています。

また、ある菌種の遺伝子配列や遺伝子群を取り出し、プラスミド内で再編成したものを他の菌種に導入する場合にも分子クローニングが利用されます。

これにより生合成経路を完全に作り替え、複合分子を生成することが可能となります。

ある特定の温度での培養により変異性ポリメラーゼを使う特別な菌種内に目的プラスミドを組み込み発現させることで、変異体ライブラリーを作成するときにも分子クローニングが利用できます。突然変異はシークエンシングにより解析できます。突然変異遺伝子により形質転換されたバクテリアを様々な薬剤や化学物質で試験し、薬剤耐性菌の研究が成されています。

さらに、分子クローニングを利用し、レポーター遺伝子をプラスミドDNAに組み込むことが可能です。一般的なのは緑色蛍光タンパク質、GFPです。これはUV光照射により緑色の蛍光を発します。レポーター遺伝子をアルファウイルスに挿入することで、蚊への感染や細胞内での感染力も研究できます。

ここまでJoVE分子クローニング編をご覧いただきました。分子クローニングの役割と分子生物学研究での応用例を紹介しました。ご覧いただきありがとうございました。

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