DNAのゲル電気泳動

Basic Methods in Cellular and Molecular Biology

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Summary

DNAのゲル電気泳動は、DNA分子の検出と分離を行うための手法です。アガロースでできたゲルマトリックスに電場をかけることで、荷電した粒子が分子量に応じてゲル内を移動していきます。DNAを構成するリン酸基は負に荷電しているため、DNA分子は陽極方向へ移動します。

このビデオでは、アガロースゲルを利用してDNA断片を分離するメカニズムやアガロースゲルの作製、DNAサンプルのロード、DNAの泳動、DNA断片の可視化、実験終了後のゲルとランニングバッファーの廃棄方法など各工程を紹介しています。

Cite this Video

JoVE Science Education Database. 細胞生物学・分子生物学の実験法の基礎. DNAのゲル電気泳動. JoVE, Cambridge, MA, (2017).

DNAのゲル電気泳動はDNA断片を分子量に応じて、分離、特定する手法です。

様々なDNA断片をアガロースでできた多孔質のゲルにロードします。アガロースは 紅藻類から得られる糖質です。

電場をかけると断片がゲルを通り抜けて移動します。これはDNAヌクレオチドのリン酸基が負電荷を持つためです。

小さなDNA断片はゲルの網目構造を通過しやすく、反対に大きな断片はゲルを通過するのにより時間がかかります。

泳動が終わったら、目的のDNAサンプルの位置をDNAラダーと呼ばれる既知濃度のバンドパターンと比較します。

実験サンプルとラダーの相対的な位置を比較することで目的のDNA断片の存在がそのサイズに基づき確認できます。

アガロースゲル濃度は、アガロースの質量を加えたバッファーで割った値です。1gのアガロースに100mLのバッファーを加えると1%のゲルができ上がります。低濃度のゲルは大きな断片の特定に、高濃度のゲルは小さな断片の特定に利用します。ゲルの作製にあたり、アガロースを適量測り取り、三角フラスコに入れます。

次にランニングバッファーを加えます。このとき全体量がフラスコの3分の1を超えないようにして下さい。そして撹拌します。

電子レンジの最大出力で加熱しアガロースを溶かします。30秒毎にフラスコを取り出し、撹拌します。これをアガロースが完全に溶解するまで繰り返します。

次にエチジウムブロマイドを0.5mg/mLになるように加えます。エチジウムブロマイドは芳香族化合物であり、DNAの塩基対の間に入り込み、紫外線照射下で強いオレンジ色の蛍光を発します。エチジウムブロマイドは発がん性をもつため、取り扱う際には必ずグローブを着用して下さい。

ゲル用トレイが曲がるのを防ぐため、アガロースは65℃設定のウォーターバスに入れ冷まします。

その後ゲル作製用容器にゲル用トレイをはめ込みます。テープでゲル用トレイの端を塞いで容器の代わりにしても構いません。ゲルにコームをセットし、DNAをロードするためのウェルを作ります。このときDNAサンプルに適切なサイズのコームを選ぶようにしてください。

溶かしたアガロースをゲル用トレイに流し込み、室温で固まるまで待ちます。

アガロースが固まったら、コームを外します。すぐに使用しない場合はラップでカバーし4℃で保存して下さい。

すぐに始める場合は、ゲルをゲルボックスにセットしましょう。

まず始めに、分離するDNAサンプルにゲル用ローディングダイを加えます。通常ローディングダイは6倍の濃度に調製されています。ローディングダイはサンプルを可視化でき、ウェルへのサンプルのロード、また泳動状況の確認が容易になります。

パワーサプライ装置を適切な電圧にセットします。

次にゲルボックスにランニングバッファーをゲル表面が浸るまで加えます。 ここではゲルを作製した時と同じバッファーを使用して下さい。

ゲルボックスをパワーサプライ装置につなぎ、スイッチを入れます。するとDNAは負の電荷をもっているため陽極、通常は赤の方に流れていきます。ここで、黒のリード、つまり陰極をゲルボックスのボトム側につながないように注意しましょう。黒猫は不吉という迷信を思い出せば間違えませんね。陰極(black CAThode)は通常黒です。サンプルは赤い方、つまり陽極に向かって移動します。ゲルボックスとパワーサプライがきちんと作動しているかは、電極から泡が発生していることを確認することで電流が流れていると判断できます。

ゲルボックスの蓋をはずします。そしてゆっくりと丁寧にDNAサンプルをロードします。サンプル中のローディングダイのおかげでサンプルがゲルに浸透し、さらにサンプルの泳動状況も確認できます。常にDNAの分子量マーカー、又はラダーをサンプルと共にロードしましょう。

蓋をします。再度、電極がパワーサプライの正しい位置に接続されているか確認して下さい。

スイッチを入れます。染料が適切な位置にくるまで泳動します。

電気泳動が完了したら、パワーサプライを切り、ゲルボックスの蓋をはずします。

ゲルボックスからゲルを取り出し、ゲル表面の余分なバッファーを除きます。ペーパータオルの上にゲル用トレイを置き、ランニングバッファーをすべて除きます。

DNA断片を可視化するために、トレイからゲルを取り出し、紫外線照射します。

DNA断片がオレンジ色の蛍光バンドとして出てくるはずです。ゲルの写真を撮ります。

実験終了後、ゲルとランニングバッファーを規則に従い正しく廃棄して下さい。その際はエチジウムブロマイドの暴露を避けるために必ずグローブを着用して下さい。

ここまでDNAのゲル電気泳動の実施方法を見てきました。さてここからは、非常に有用なDNAのゲル電気泳動の利用方法を見ていきましょう。

これは、PCR産物を分離後のアガロースゲル電気泳動の結果です。ゲルにロードしたDNA断片はくっきりと明確なバンドとして現れています。DNAスタンダードのバンドパターンと比較することでサンプルのサイズが推定できます。この実験では、2レーンのDNAラダーと765塩基対、880塩基対、1022塩基対のDNA断片が1.5%アガロースゲルで分離されています。

DNAのゲル電気泳動は目的のDNA断片の存在を確認できるだけでなく、ゲルから精製する工程と組み合わせることもできます。通常カミソリの刃を使って目的のDNA断片を切り出して収集し、DNAサンプルを回収します。

さらに、アガロースゲル電気泳動は転写ブロッティングと組み合わせることもできます。これは電気泳動により分離したサンプル中の特異的なDNA又はRNA配列をセルロース膜に転写し、放射性プローブを使って、DNA又はRNAを検出する手法です。

標準的なDNAのゲル電気泳動はゲノムDNAのような15-20kbよりも大きい分子量のDNAの分離にはふさわしくありません。特に高分子のDNAサンプルの分離には、パルスフィールドゲル電気泳動が適しています。これは、電場の方向を切り替えることによりDNAを泳動させる方法です。

この手法にはゲル周辺の様々な方向に対になった電極が設置してある専用の泳動装置が必要になります。この手法は、生物群間のゲノムサイズの差を検出するために利用されます。ここでは異なる湖沼環境で採取してきた様々な微生物郡からプールしたDNAサンプルの検出を行っています。

ここまでDNAのゲル電気泳動についてご覧いただきました。このビデオでは、基本概念、アガロースゲルの調製法、サンプルのロードについて、泳動方法、そしてアガロースゲル電気泳動法の応用例を紹介しました。ご覧いただきありがとうございました。

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