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JoVE Core
Biology
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JoVE Core Biology
The Nucleus

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01:32 min
March 11, 2019

核は、真核生物の遺伝情報を染色体DNAの形で保持している膜結合型の細胞小器官です。これは、ミトコンドリアや葉緑体のDNAとは異なり、それらの器官に特有の機能を担っています。赤血球のように核を持たない細胞や、骨格筋細胞のように複数の核を持つ細胞もありますが、多くの真核性細胞は1つの核を持ちます。

核内のDNAはヒストンなどのタンパク質に巻きついており、クロマチンと呼ばれるDNAとタンパク質の複合体を形成します。細胞が分裂せず、細胞周期の間期にある時、クロマチンは散在しています。これは、DNAコードに基づいてメッセンジャーRNA(mRNA)が合成される転写の過程において、DNAへの接近を容易にします。真核細胞がまさに分裂しようとするとき、クロマチンはしっかりと凝縮し、明確に糸状の染色体になります。人間は全部で46本の染色体を持ちます。

クロマチンは、核の中でも特に「核小体」と呼ばれる領域に集まっています。核小体は、mRNAをタンパク質に翻訳するリボソームの生成に重要な役割を果たしています。核小体では、リボソームRNAが合成され、タンパク質と結合してリボソームサブユニットとなり、後に細胞質で機能するリボソームを形成します。

核の内部は、核質と呼ばれるゲル状の物質で満たされます。核の周囲には核膜と呼ばれる2枚の脂質二重層からなる二重膜があります。核膜には、タンパク質でできた小さな開口部(孔)が点在しており、核内へ出入りする物質を管理します。例えば、核外に出たmRNAは、孔を通ってリボソームに送られ、直接タンパク質に翻訳されます。