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Biology
Chapter 13: DNA Structure and Function
13.7:
校正
新しいDNA分子の合成は、DNAポリメラーゼが、鋳型となるDNA鎖に相補的な配列でヌクレオチドを結びつけることで始まります。DNAポリメラーゼは、DNA複製の忠実性を確保するために、正しい塩基に対して高い親和性を持っています。さらに、DNAポリメラーゼは複製中に校正を行い、エキソヌクレアーゼ領域を使用して、新生のDNA鎖から間違ったヌクレオチドを切断します
ゲノムDNAは、5’から3’の方向に合成されます。各細胞にはいくつかのDNAポリメラーゼが存在し、DNAの合成と間違いの修正にそれぞれ異なる役割を果たしています。DNAポリメラーゼデルタとイプシロンは、核内DNAを複製する際に校正能力を持っており、新しい鎖に追加された各塩基を読みます。新たに加えられた塩基が間違っていた場合、ポリメラーゼは方向を反転させ(3’から5’へ)、エキソヌクレアーゼ領域を使って間違った塩基を切断します。その後、正しい塩基に置き換えられます。
校正は合成されたばかりのDNAに突然変異が起こるのを防ぐために重要ですが、校正の仕組みが破綻するとどうなるのでしょうか。DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ領域に変異が生じると、誤ったヌクレオチドを除去する機能が失われます。その結果、突然変異がゲノム全体に急速に蓄積されることになります。このタイプの突然変異は、さまざまな種類のがんに関連しています。
改良型DNAポリメラーゼは、実験室でポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に使用されています。最終製品が完璧であることが重要な場合には忠実度の高いポリメラーゼが使用されますが、エラー・プローンPCRのように、意図的にDNAの断片に変異を生じさせようとする技術もあります。これらの技術では、校正能力が低下したポリメラーゼが使用されます。
DNAが複製されるとき,ヌクレオチドは通常 相補的な配列で新しい鎖の 核酸へと付加されます。アデニンがチミンに結合し シトシンがグアニンに結合します。しかしながら、ヌクレオチドは誤って対合することがあります。たとえば,アデニンがシトシンと結合してしまいます。こうしたエラーは,DNA合成酵素であるDNAポリメラーゼによって 実行される一連の修正ステップによって、複製中に防止,修正 することができます。まず,DNAポリメラーゼは 正しく対になったヌクレオチドに対し より高い親和性を有し,誤った対合の可能性を減らします。次に,ヌクレオチドが核酸と対を形成し始めると,DNAポリメラーゼの立体構造が変化し,誤って対を形成したヌクレオチドを より解離させやすくします。正しいヌクレオチドが付加することを可能にします。そして,誤ったヌクレオチドが 成長しているDNA鎖に付加されたとしても,構造上の問題から,核酸とは 正しく対合しません。成長鎖の3’末端での 誤った対合は,DNA合成を一時停止させます。そして,3’末端は,DNAポリメラーゼ上の特定のエキソヌクレアーゼ部位に移動し、3’から5’方向のヌクレオチドを 除去します。このエキソヌクレアーゼ修正工程において,誤った対合末端は除去され,正しいヌクレオチドによって置換されます。
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