DNAの多くは細胞の核に存在しています。しかし、細胞質内の葉緑体やミトコンドリアなどの小器官にもDNAが存在します。これらの細胞小器官は、自身が存在する細胞の核DNAとは独立してDNAを複製します。非核継承とは、核以外の構造体から遺伝子が継承されることを指します。
ミトコンドリアは、植物や動物の細胞に存在します。ミトコンドリアは、真核細胞の心臓部と呼ばれ、グルコースを分解して細胞活動に必要なエネルギーを作り出します。ミトコンドリアのDNAは約37個の遺伝子から構成されており、その多くが酸化的リン酸化と呼ばれるプロセスに貢献しています。
葉緑体は植物や藻類に存在し、光合成を行う場所です。これらの生物は光合成により、太陽光からグルコースを生成します。葉緑体のDNAは約100個の遺伝子から構成されており、その中には光合成に関わるものが多く含まれています。
葉緑体やミトコンドリアのDNAは、核内の染色体DNAとは異なり、「親から半分ずつ遺伝する」というメンデルの仮定には従わないです。これは、精子細胞が受精時にミトコンドリアや葉緑体のDNAを子孫に提供することが一般的ではないためです。
精子細胞が接合体に与える核染色体は主に半数体1セットであるのに対し、卵細胞は核染色体に加えて細胞小器官も与えます。接合体(植物細胞では葉緑体も)は通常、卵細胞からだけミトコンドリアと葉緑体を受け取っており、これを母性遺伝と呼びます。母性遺伝は、非核遺伝(核外遺伝)の一種です。
なぜミトコンドリアや葉緑体は独自のDNAを持つのでしょうか。一般的な説明は、「細胞内共生説」です。内部共生説とは、ミトコンドリアと葉緑体がかつて独立した原核生物だったとする説です。この説では、ミトコンドリアと葉緑体は独立した原核生物でしたが、ある時、宿主である真核生物の細胞と一緒になり、お互いに利益をもたらす共生関係になったと考えられています。
Classical and Modern Genetics
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