34.18: 植物栄養学のキーとなる要素

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Key Elements for Plant Nutrition

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02:35 min
February 27, 2020

すべての生物がそうであるように、植物も生存、繁殖、成長、恒常性の維持のために有機および無機の栄養素を必要とします。植物の機能に不可欠な栄養素を特定するために、研究者たちは水耕栽培と呼ばれる技術を利用しています。水耕栽培では、土を使わずに、栄養素を含んだ水溶液で植物を育てます。植物に必要な要素として、17種類の栄養素が確認されています。植物はこれらの元素を、大気、根を張った土壌、水などから得ています。

これらの必須栄養素のうち、植物がより多くの量を必要とする9種類の栄養素を総称して多量栄養素と呼びます。多量栄養素には、炭素、酸素、水素、窒素、リン、硫黄、カルシウム、マグネシウム、カリウムが含まれています。水、タンパク質、核酸、炭水化物など、植物の重要な化合物には、多量栄養素が含まれています。また、多量栄養素は細胞のプロセスを制御します。例えば、カリウムは、ガス交換のための気孔の開閉を制御します。

植物が必要とする微量栄養素は、少量です。塩素、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、ニッケル、モリブデンなどです。微量栄養素の多くは、酵素の活動を可能にする補酵素として機能します。したがって、微量栄養素がなければ、植物は重要な機能を果たすことができません。

植物は必須栄養素が不足すると、葉の乾燥や黄ばみなどの症状が現れます。また、古い葉と若い葉では、栄養素の欠乏が起こりやすいです。例えば、鉄分が不足すると、若い葉の方が影響を受けやすくなります。

植物の栄養不足を効果的に解消することは、農業や環境対策に不可欠な要素です。例えば、土壌中の窒素含有量を測定するために、光センサーが使用されています。窒素は植物にとって非常に重要ですが、窒素を含む肥料を過剰に使用すること(植物が吸収できる量を超えて土壌中の窒素量を維持すること)は、生態系の機能に悪影響を及ぼし、地球温暖化の原因にもなります。