エンタルピー変化が負の値 Δ H < 0 は発熱反応(周囲に放出される熱)を示し、正の値 Δ H > 0 は吸熱反応(周囲から吸収される熱)を示します。 化学方程式の方向が逆になると、その Δ H の符号が変更される(一方向に吸熱するプロセスは、反対方向に発熱する)。
概念的には、 Δ E (熱と仕事の測定値)と Δ H (一定圧力での熱の測定値)は、どちらもシステムの状態機能の変化を表します。 体積変化が小さいプロセスでは Δ V が小さく(氷の融解)、 Δ E と Δ H が同一です。 ただし、体積の変化が大きい場合(水の蒸発)、仕事として伝達されるエネルギー量は大きくなります。したがって、 Δ E と Δ H の値は大きく異なります。