14.4:

平衡定数の計算

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Chemistry
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Calculating the Equilibrium Constant

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02:46 min
September 24, 2020

ある反応の平衡定数は、その反応物と生成物の平衡濃度(または圧力)から計算できます。これらの濃度がわかっている場合、Kcの式に代入すると値が得られます。

例えば、気体の二酸化窒素は、次式によって四酸化二窒素を形成します。

Eq1

25°Cの1.0 Lのフラスコに0.10 molのNO2を加えると、その濃度が変化します。平衡状態では[NO2] = 0.016 M、[N2O4] = 0.042 Mとなり、この反応の平衡定数の値は次のように計算できます。

Eq2

次に、少し難しい例を示します。この例では、反応の化学量論を用いて、与えられた情報から平衡濃度を計算します。この計算の基本的なやり方は、多くの種類の平衡計算に役立ちます。最初に存在する反応物と生成物の濃度、反応の進行に伴って変化する濃度、そして系が平衡に達したときの濃度をそれぞれ考えます。これらの頭文字をとってICEと呼ばれるこのやり方は、ICE表と呼ばれる表形式で濃度に関する項をまとめると便利です。

平衡定数の算出

ヨウ素分子はヨウ化物イオンと可逆的に反応し、三ヨウ化物イオンを生成します。

Eq3

反応前のI2とIの濃度がともに1.000 × 10−3 Mの溶液で、I2の平衡濃度が6.61 × 10−4 Mになる場合、その反応の平衡定数はいくらでしょうか?

平衡定数を計算するには、すべての反応物と生成物の平衡濃度が必要です。

Eq4

いま、反応物の初期濃度と生成物の平衡濃度が既知です。この情報は、反応物の平衡濃度を算出するために使用することができ、ICE表にすべての情報をまとめます。

      I2 (aq)        I(aq)    I3(aq)     
初期濃度 (M) 1.000 × 10−3 1.000 × 10−3 0
濃度変化 (M) −x −x +x
平衡濃度 (M)   1.000 × 10−3 − x       1.000 × 10-3 − x   x

平衡状態では、I2の濃度は6.61 × 10−4 Mなので、

Eq5

ICE表を用いて、すべての濃度で新しい値を計算します。

I2 (aq I(aq) I3(aq)
初期濃度 (M)  1.000 × 10−3    1.000 × 10−3   0
濃度変化 (M)  −3.39 × 10−4    −3.39 × 10−4     +3.39 × 10-4  
平衡濃度 (M)  6.61 × 10−4    6.61 × 10−4    3.39 × 10−4 

最後に、平衡濃度をKcの式に代入します。

Eq6

上記の文章は以下から引用しました。 Openstax, Chemistry 2e, Section 13.4 Equilibrium Calculations.