組換えウイルスの作製 図1に従い、BS-C-1[Buffalo Subclone C-1(CV-1細胞由来のサル腎上皮細胞株)]細胞の単層に、無血清培地を用いて感染多重度(MOI)> 1でワクシニアウイルスを感染させる。感染から1時間後、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で細胞を回収し、無血清培地中で組換えベクタープラスミドとトランスフェクション試薬を3:1の比率で混合してトランスフェクションを行う。 24時間後、胎児ウシ血清(FBS)を含まないDMEM中で細胞をスクレイピングして回収し、3回の凍結融解サイクルを行って細胞を破壊し、ウイルス粒子を放出させる。 10% FBS含有DMEMおよびGPT(E. coli由来グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ選択試薬:ミコフェノール酸(25 µg/ml)およびキサンチン(250 µg/ml))を用いた液体オーバーレイ法によるプラークアッセイを次のように行う。 6ウェルプレートにBS-C-1細胞の単層を播種する。 100%コンフルエントになった細胞単層に、ウイルス粒子を含む凍結融解細胞の段階希釈液を感染させ、個々のプラークが十分に分離するようにする。 最終濃度がそれぞれ25 µg/mlおよび250 µg/mlとなるよう、GPT選択試薬(ミコフェノール酸およびキサンチン)を含む10% FBS含有DMEMの液体オーバーレイを施す。 24時間のインキュベーション後、液体オーバーレイを除去し、蛍光顕微鏡を用いて、TDS(一過性ドミナント選択)ベクターからのmCherryのウイルスへの組み込みに対応する、拡散した赤色蛍光を示すプラークを探索する。標的遺伝子および選択した蛍光タグによっては、同一の赤色プラーク内に、タグ付けされた遺伝子の局在化した蛍光が観察される場合もある。 各組換えウイルスについて、ピペットチップと100 µlの5% FBS含有DMEMを用いて局所的にスクレイピングし、複数のプラークをピックアップしてエッペンドルフチューブに移し、その後、スクレイピングした細胞を3回凍結融解して組換えウイルスを放出させる。 凍結融解したウイルスを含むDMEMを12ウェルプレートの細胞単層に加え、増殖培地中のGPT選択試薬を用いて組換えウイルスを増幅させる。感染から24時間後、増幅に成功したものをスクレイピングして回収する。 赤色蛍光を示す増幅成功プラークに対し、今度はアガロースオーバーレイとGPT選択を用いて、次のようにプラークアッセイを行う。 6ウェルプレートにBS-C-1細胞の単層を播種する。 組換えウイルスを段階希釈し、FBS不含DMEMを用いて、希釈倍率を上げて各ウェルに感染させる。 感染から1時間後、液体培地を除去し、2.5% FBS、292 µg/ml L-グルタミン、100 U/ml ペニシリン、および100 µg/ml ストレプトマイシンを含む最小必須培地(MEM)およびGPT選択試薬を用いた0.5%アガロースを各ウェルにオーバーレイする。 感染から2~3日後、赤色および選択した蛍光タグの両方の色を示すプラークを選択し、今度はGPT選択なしで再度増幅させる。 選択剤なしのアガロースオーバーレイを用いて、次のプラークアッセイを行う。 拡散した赤色蛍光を消失したが、選択したタグに対応する局在化した蛍光を保持しているプラークをピックアップする。 選択剤なしでプラーク精製を繰り返し、mCherryおよびgpt選択遺伝子を消失し、かつ選択したタグに対応する局在化した蛍光を保持している組換えウイルスの純粋なストックを得る。プラークアッセイによりストックが純粋であることを確認する。すべてのプラークが同様のプラーク表現型を示す必要がある。 Marzook, N. B., 他、 蛍光タグ付きワクシニアウイルス蛋白を効率的に作製するための手法 J. Vis. Exp. (2014)
このビデオでは、感染させた上皮細胞内でのプラスミド媒介相同組換えを用いた、組換えワクシニアウイルスの作製について解説します。蛍光マーカーおよび代謝マーカーを用いることで、タグ付きタンパク質を発現しているウイルスの選択と特定が可能になります。
