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3.5:

脱水合成

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Dehydration Synthesis

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脱水結合とは 同一または非常に類似した 分子の小さなサブユニットの特定のモノマーが ポリマーと呼ばれるより長い鎖へと 組み立てられるプロセスのことです 例えば グルコースなどの個々の単糖は 2つの水素と1つの酸素を 除くことにより結合し 副生成物として水が形成されます アミロースのような炭水化物の ポリマーに合成されるので 反応物質は水を失い続け 結果として脱水になります それでこのプロセスは 糖を複雑な澱粉に変えるという以上に 多様な可能性を生み出します

3.5:

脱水合成

概要

脱水合成とは、2つの分子が水分子を放出して共有結合する化学反応です。例えば、複雑な炭水化物、タンパク質、DNA、RNAなどの、多くの生理的に重要な化合物が脱水合成によって作られます。

脱水合成が生命の構成要素を作ります

糖質は、脱水合成(別名: 縮合反応)によって共有結合で結合できます。結果としてできる安定した結合はグリコシド結合といいます。この結合の形成には、一方の反応物の水酸基(-OH)と他方の反応物の水素原子が水を形成し、残っている酸素が2つの化合物を結びつけています。結合が形成されるたび、1分子の水が放出され、反応物は文字通り脱水されます。例えば、個々のグルコース分子(単量体)は、脱水合成を繰り返すことで、長鎖や分岐化合物を作ることができます。このように、全く同じか類似のサブユニットを繰り返しもつ化合物をポリマー(重合体)と呼びます。多様な糖の単量体と、結合の位置の多様性があれば、実質的に無限の数の糖の重合体を作ることができるのです。

生体における炭水化物の多機能性

植物は、光合成によって二酸化炭素と水から炭水化物を作り出します。植物は、デンプン(グルコース分子から脱水合成によって作られる多糖類)として得られた糖(すなわちエネルギー)を蓄えます。セルロースも同様にグルコースの単量体から作られ、植物の細胞壁の構成要素となっています。

動物は複合多糖を摂取し、分解します。その単糖類はそうしてエネルギー生産に利用され、グリコーゲンの形で貯蔵されます。グリコーゲンは、グルコースの単量体から脱水合成により作られた分岐多糖類です。さらに、単糖は核酸、アミノ酸、脂肪酸などの小さな有機構成要素の材料として利用されます。

多くの動物は、植物が合成したセルロースを消化できません。代わりに、不溶性の食物繊維が消化器官を通過することで、食物の通過を助けたり、腸内に保持される水分量を増加させるという非常に有益な副次効果をもたらします。牛のように一部の動物は、腸内にセルロースを分解する酵素を作るバクテリアを持っているため、グルコースを利用できます。

アミロース、グリコーゲン、セルロースはすべてグルコースから成ります

アミロース(でんぷんの線状の部分)、グリコーゲン、セルロースは、全て同じ基礎成分でできているにもかかわらず、なぜ性質が異なるのでしょうか。その違いは、個々のグルコース分子間の結合の仕方にあります。セルロースは、グルコースがβ-1,4で結合しています。つまり、βグルコース単量体(炭素数1にある水酸基が上を向いているグルコース)の炭素数1の炭素が、隣のグルコース単量体の炭素数4の炭素と結合しているのです。アミロースのグルコース単量体は、α-1,4で結合しています。グリコーゲンもα-1,4で結合しますが、さらにα-1,6に側鎖を持ちます。