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5.8:

植物の浸透圧

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Tonicity in Plants

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植物は 細胞質の内部と比較して 周囲の細胞外の環境に より多くの水があると健康に育ちます この低張の場合には 水が細胞に入り 細胞を膨張させます 壁が硬いので 原形質膜の膨張が制限され 膨圧が生じて細胞が硬くなり まっすぐに保ちます 対照的に 水が細胞の外側より 内側に集中している場合 細胞外の環境は高張になり 水が流れ出します その結果 原形質膜が細胞壁から分離し 細胞質が収縮します この結果は原形質分離と呼ばれ 植物が膨圧を失い しおれる理由となっています

5.8:

植物の浸透圧

浸透圧は細胞が水分を失ったり獲得する容量を表します。これは、膜を透過しない溶質の量に依存します。浸透圧は新党の大きさと方向の範囲を定め、その結果、細胞の体積を変化させる3つの考えられる筋書き、高張性、低張性、等張性となります。構造や生理機能の違いにより、植物細胞の浸透圧は動物細胞の浸透圧とは異なる場合があります。

植物と低張環境

動物細胞とは異なり、植物は細胞質内に比べ周囲の細胞外環境により多くの水があるときに成長します。低張環境では、植物細胞内の溶質濃度が細胞外よりも高いため、水が細胞に浸透し細胞が膨張します。水の流入によって細胞膜が細胞壁を押すときに発生する力を「膨圧」といいます。動物細胞とは異なり、植物細胞には硬い細胞壁があり、浸透圧による細胞膜の膨張を制限しています。細胞壁が膨張を制限することで、細胞が破裂するのを防ぎ、植物は硬くなります(つまり、膨れます)。この膨張により、植物はしおれずに直立できます。

植物と高張環境

植物は、十分な水分を摂取できないとしおれます。このような場合、植物の細胞外の環境は高張状態となり、浸透圧によって内部から水が放出されます。その結果、液胞が小さくなり、細胞膜が細胞壁から剥離して細胞質が収縮します。これが原形質分離と呼ばれるもので、植物が防圧力を失いしおれる理由です。

植物と等張環境

等張環境では、植物の細胞内外両方の水のバランスが保たれています。したがって、動物細胞と同様に、植物細胞の体積が変化することはありません。

植物の浸透圧調整

多様な植物細胞の構造や戦略により、植物は過酷な環境下でも適切な浸透圧平衡を維持しています。例えば、乾燥した環境に生息する植物は、水を液胞に蓄え、気孔の開口を制限し、不要な水の損失を防ぐため厚いワックス状の表皮を持ちます。また、塩分の多い環境に生息する植物の中には、根に塩分を蓄える種があります。その結果、周囲の土壌から根へと水の浸透が生じます。

Suggested Reading

Haswell, Elizabeth S., and Paul E. Verslues. “The Ongoing Search for the Molecular Basis of Plant Osmosensing.” The Journal of General Physiology 145, no. 5 (May 2015): 389–94. [Source]