熱力学の第一法則では、エネルギーは創造も破壊もされず、変換されるだけであるとされています。このことは、古典的な食物網で実証されています。太陽からの光エネルギーは、植物によって放射エネルギーとして利用され、化学エネルギーに変換されて、複雑な炭水化物として貯蔵されます。その後、植物は動物に食べられ、消化の過程で糖質が熱としてエネルギーを放出します。また、糖質が産生する化学エネルギーは、動物の働きに使い果たされたり、グリコーゲンや脂肪酸などの高分子に蓄えられたり、捕食者に食べられます。動物から排出された排泄物や死んだ有機物は、バクテリアや菌類によって分解されて土壌へと戻され、植物が育つための糧となり、このサイクルが続いていくのです。
光合成の過程で、光子は、植物が生き成長するために使用する、複雑な炭水化物を作るために利用され、酸素は大気中に放出されます。
植物は最終的に草食動物の餌となり、消化の過程でその糖が分解され、エネルギーが放出されます。エネルギーは熱、またはグルコースからの化学エネルギーとして放出され、動物の生存と繁殖を可能にする細胞プロセスを駆動します。エネルギーは、化学エネルギーとして高分子に貯蔵することもできます。例えば、グリコーゲンは肝臓や筋肉に貯蔵され、エネルギー需要が高い時に素早く利用することが可能です。またエネルギーは、脂肪酸の形で備蓄として蓄えることもできます。最後に、動物は捕食者である肉食動物にエネルギーを渡す場合もあり、肉食動物の体内で同じように利用されます。
各段階からの廃棄物は、空気や、水、土壌に返され、食物網の維持に使われます。バクテリアや菌類のような分解者は、死んだ有機物を食べて土に返すため、植物は再びこれを使用して成長できるのです。
Garcia, Hernan G., Jane Kondev, Nigel Orme, Julie A. Theriot, and Rob Phillips. “Thermodynamics of Biological Processes.” Methods in Enzymology 492 (2011): 27–59. [Source]