植物が海から陸へあがり コロニーを作る以前の大陸には 不毛の大地が広がっていました。現在では、何百万種もの 微生物、植物、動物が 地上に生息しています。これはすべて、陸上植物の 進化によって可能となったのです。この驚異的な変遷を 理解するためには、まず、植物とは何なのかを 正確に理解し、植物がどのように進化して 陸上生活に適応したのかを 理解しなければなりません。植物には、最も背の高い木から 最も小さな苔まで、すべての植物に共通している 特徴があります。最初に、すべての植物は 多細胞真核生物です。次に、植物は葉緑体と呼ばれる 細胞小器官の中で 光合成色素である 葉緑素を生産し、太陽からのエネルギーを 使って、自身の栄養源を 生産します。3番目に、すべての植物は, セルロースで形成された 細胞壁で囲まれた細胞を持ちます。最後に、すべての植物は 世代交代を 特徴とした 生活環を持ち、生活環を通して 半数体多細胞と 二倍体多細胞の ステージを移行します。この図では、2種類の異なる 多細胞期が生活環の 世代を示しています。1つ目の多細胞期は 半数体の配偶体です。配偶体は有糸分裂で 配偶子を生成します。配偶子は受精して融合し、二倍体の細胞を形成します。さらに有糸分裂を繰り返して 胞子体に発達します。胞子体は減数分裂で 半数体の胞子を生産し、新しい配偶体が生まれ、その生活環を 完了します。これらの特徴は、すべての 植物に共通していますが、その発現の仕方は、多様な植物系統ごとに はっきりとした違いが あります。陸上植物は3つのグループに 分類されます。非維管束植物、無種子維管束植物、そして種子植物です。これらのグループには、それぞれ 数千の種が含まれます。進化の過程が進むに従い、3つのグループは 維管束組織から 果実の進化まで、それぞれのグループの特徴となる 形質を進化させました。このような適応の 積み重ねによって、植物は最も繁栄した 陸上生物群系となったのです。