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2.8:

化学反応

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Chemical Reactions

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化学反応とはある分子や化合物が 違う物質に変化する過程を言います つまり、元の物質である反応物質の原子同士の 化学結合が壊れ 新しい結合が生まれ、違う物質が生成されます 有機燃料の燃焼などの反応は 一方向で、逆行できませんが 反応物質を完全に使い切るまで 化学反応が続き、二酸化炭素と水を生成します こうした安定した物質は、お互いに反応し合って 別の反応物質を生成することはありません 他の反応、例えばアンモニアガスの生成では 二方向で、逆行が可能です 物質の分子がお互いに反応し合い 窒素と水素ガスという反応物質を生み出します こうした反応は同時に行われ 反応物質と生成物は 均等になるようになっています すべての化学反応では 反応物質の分子にある 全要素の原子の数は 生成された物質の中にある数と同じです 例えば、窒素ガスの1つの分子が 水素ガスの3つの分子と反応すると アンモニアの分子2つが生まれます つまり、合計で2つの窒素と 6つの水素があるのです

2.8:

化学反応

概要

化学反応とは、物質を構成する原子の結合が再編成され、新たな物質が生成される過程です。化学反応では、物質は創造したり壊すことはできません、つまり反応物を構成する原子と同じ種類と数の原子が生成物にも存在します。単に化学結合が組み替えられ、新しい化合物が生成されるにすぎないのです。

化学反応は、原子を並べ替え新しい物質を作ります

化学反応は、出発材料ー反応物を、異なる物質ー生成物に変化させます。方程式の両側の元素の種類は同じですが、反応後はそれらが異なる物質に再配置されます。化学反応では、原子間の結合の切断と再結合により、原子間で共有される電子の再配置が行われます。反応は自然発生的に起こることもあれば、熱や光などのエネルギー供給がある場合にのみ起こることもあります。さらに、高分子は、化学反応を大きく加速させる触媒、酵素としても機能します。ほとんどの生物学的反応は、酵素なしでは完了するまで非常に時間がかかります。

化学反応には永続的なものと可逆的なものがあります

ある種の化学反応は、反応物を使い果たすまで不可逆的に進行しますが、一方で条件が変われば生成物が反応物に戻される可逆的な化学反応もあります。燃焼反応や、2つの物質が溶解した溶液から固体が形成される沈殿反応のように、一部の化学反応は通常、一方向にしか進みません。不可逆的な反応の例では、大気中の酸素存在下での炭化水素燃料の燃焼があげられ、これは熱と光のエネルギー、炭酸ガス、水を生成します。他の反応では、反応物と生成物が平衡状態(反応物と生成物の正味変化がない状態)になるまで、どちらか一方向に進みます。

物質保存の法則とつりあった化学式

化学反応では、物質を創造したり破壊することができないという「物質保存の法則」があります。しかし、作られた生成物は、反応物とは異なる原子比率であることが多いです。つりあった化学式では、生成物と反応物に、それぞれの種類の原子の総数が等しくなるまで係数を加えることにより、式の両側にあるすべての原子を換算します。係数は、数学の係数が括弧内に含まれる全変数に適用されるように、化合物中の全原子に適用されます。例えば,水素ガスと酸素ガスから水を生成する反応は次のようになります。

H2 + O2 → H2O

このつりあっていない方程式では、水素原子は両側に2個ずつあるものの、酸素原子の数が等しくありません。この方程式のつりあいをとるため、両側の水素原子と酸素原子の数が等しくなるように係数が加えられます。

2H2 + O2 → 2H2O

つりあった方程式では、式の両側それぞれに合計4個の水素原子と2個の酸素原子が存在します。

化学反応が細胞を動かします

地球上の生命の多くを動かす重要な工程は、太陽の光を受けて炭素数6の糖質、グルコースを作る「光合成」と、グルコースを利用可能なエネルギーに変える「細胞呼吸」です。これら必須の両反応は、根本的には相補的な化学反応のペアです。光合成生物は、太陽光のエネルギーを利用して、二酸化炭素と水を糖と酸素分子に変換します。細胞呼吸は、糖を作ったか消費したかにかかわらず、酸素の存在下で好気性生物が糖を分解するのに用いられ、生活に必要なエネルギーを生産します。