一次性および二次性能動輸送は いずれも細胞膜タンパクに依存していますが 二次性能動輸送はATPではなく イオンの電気化学的勾配で貯蔵されるエネルギーを使用して これらのタンパク質に電気を供給し グルコースなどの分子を勾配に逆らって細胞に移動します。二次性能動輸送のタンパク質の例のひとつに ナトリウム・グルコース共輸送体1があります。この共輸送体は最初 細胞質側が閉鎖した状態で位置しており 細胞外側は開いています。負の電荷を持つ2つのナトリウム結合部位が 正の電荷を持つナトリウムイオンと結合する環境にさらされています。細胞質よりも細胞外空間により多くのナトリウムイオンが存在し 細胞の内部がその環境よりも負になることから ナトリウムイオンと結合した輸送体は電気化学的勾配へと移動します。これによりエネルギーが放出されて タンパク質がコンフォメーションを変更し グルコースに対する親和性を高めます。細胞の外側は濃度が低くなり 細胞の内側は濃度が高くなります。グルコース分子が輸送体に結合すると ナトリウムと糖の結合が同時に起こり それによりタンパク質の細胞外側が閉まり 細胞質側が開きます。そこでナトリウムイオンが切り離され 細胞質へと移動します。これによりタンパク質のグルコースに対する親和性が低下し 糖が放出されます。糖はイオンと共に細胞内へと共輸送されますが 濃度勾配に逆らうことになります。プロセスが終わると輸送体は もとの状態に戻ります。