観葉植物を長期間、植え替えや追肥をせずに 育てていると、葉が黄色に 変色するなどの ストレスの兆候が表れます。すべての生物と同様、植物も生殖、光合成、恒常性の維持に 特定の栄養素が必要です。元気な植物を育てるために 必要な栄養素は何でしょう?健康な植物は、炭素系の 有機化合物に加えて 無機塩類と呼ばれる 無機栄養素を必要とします。植物が生化学的に 必要とする栄養素は 約17種類あります。これらの栄養素は 必須栄養素と呼ばれます。必須栄養素は他の物質で 補うことができず、不足すると、植物は 生活環を全うできません。必須栄養素には 空気や水に 由来する 炭素、水素、酸素が 含まれます。ほとんどの植物は、その他の必須栄養素を 根付いた土壌から 摂取しています。必須栄養素は、2つの グループに分けられます。多量栄養素と 微量栄養素です。多量栄養素には、炭素、酸素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄が含まれます。植物はこれらの栄養素を 比較的多く必要とします。炭素は植物の 乾燥質量の45%を占め、タンパク質、核酸、炭水化物を構成する 重要な成分です。窒素も同様に、核酸、タンパク質、光合成色素である 葉緑素の構成に 欠かせない成分です。カリウムは光合成に 欠かせない ガス交換の制御に 不可欠です。植物の必要栄養素で 必要とされる量が 少ない栄養素を 微量栄養素と呼びます。塩素、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、ニッケル、モリブデン を含む微量栄養素は、植物が 正常に機能するために必要です。微量栄養素の一部は 補因子として機能します。補因子とは酵素を正常に 機能させる物質です。例えば、鉄はミトコンドリアと 葉緑体に含まれる 酵素の補因子です。必須栄養素が欠乏すると 植物は白化し、葉が黄色くなるなどの 症状が現れ始めます。植物の外観と 土壌に含まれる 栄養素を調べることで 欠乏している栄養素を 特定することができます。必須栄養素が植物の 質量に占める割合は 比較的少ないですが、植物の成長と恒常性には 必要不可欠です。