個体数の減少が見られる 個体群を保全するには、減退の生態学的な原因に 焦点を当てる必要があります。そのようなアプローチによって 種の歴史を学び、減退の理由や 種が生き残るために 必要な条件を特定すれば、個体数に減少が見られるが まだ多くの個体数が残っている 個体群を保全することができます。アメリカのルリツグミは このようなアプローチによって 絶滅を免れた 成功例の一つです。ルリツグミは二次樹洞 営巣種の鳥です。つまり、ルリツグミは他の種の 動物が放棄した巣などの 天然の樹洞や 古いフェンスの支柱などの 人工の樹洞に依存しています。ルリツグミの個体数は 1950年代に減少が始まり、1960年代に減退レベルが 最高に達しました。この減退が起きた 背景には、殺虫剤、外来種の侵襲など、様々な要因があります。1950年代に 持ち込まれた イエスズメが ルリツグミから 巣穴を奪いました。さらに、厳しい冬、捕食者、在来種との競争などの 自然の圧力が状況を 悪化させました。1960年代に、ルリツグミ専用の 巣箱が道沿いに 設置されました。科学者とボランティアが 巣箱を監視し、競合種の侵襲を 排除しながら、巣箱の設定条件ごとに 繁殖の成功率を 評価しました。この作業により、競合する外来種の 侵襲を防ぎ、ルリツグミの営巣に 最も適した巣箱の条件を 特定しました。例えば、ムクドリによる 妨害を防ぐことができる 入口の最大直径は 3.8センチ メートルでした。このような保全努力により、多くの地域でルリツグミの 個体数が回復し、さらには増加しました。この成功例は、人間の活動が種の減退や 絶滅を引き起こす一方で、保全努力によって 個体数を回復させることが できることを示しています。