与えられた量の溶媒の中に 異なる量の溶質を添加して 濃度の異なる溶液を 作ることができます 希薄な溶液では 溶媒に対する 溶質の割合は小さく 濃厚な溶液では その割合が大きくなります 溶液の濃度は 溶液1リットルあたりの 溶質のモル数である モル濃度(M)で表されます 分母は溶液の体積であり 溶媒の体積ではありません したがって 1 Mの溶液を 1リットルにするには 1モルの溶質を メスフラスコに加え 1リットルになるように 溶媒を入れます 同様に 別のフラスコに 1モルの溶質を加え 0.5リットルの目盛りまで 溶媒を充填すると 2 Mの溶液が得られます 溶液のモル数は 溶質のモル数と溶液の体積の 換算係数として 用いることができます 237グラムの 過マンガン酸カリウムを 水に溶かして3 Mの 溶液を作るとします 溶液の総体積を計算するには まず 溶質の質量を モル数に換算する 次に モル数をモル数で割って 0.5リットルの体積を求めます さらに水を加えると 溶液の総量は増えますが 溶質のモル数は 変わりません これは 溶液の濃度が 低下しているか 溶液が希釈されていることを 意味します 濃縮された溶液 または ストック溶液の希釈は 希釈処理の前後で 溶液の体積と モル濃度を関係付ける 希釈式を用いて行われます ここでM-1およびV-1は 最初の濃縮溶液の モル濃度および体積であり M-2およびV-2は 最終的に希釈された 溶液のモル濃度および体積です 例えば 一般的な殺菌剤として 医薬品として使用される 過マンガン酸カリウムの 溶液を調製する際には 希釈式を用いることができます 過マンガン酸カリウムの 0.2 M溶液1リットルを 調製するのに必要な 2 M原液の量を知るには M-1 M-2 V-2の数値で V-1の希釈式を解くと 0.1リットルが得られます そこで この 原液0.1リットルを 新たなメスフラスコに加え 溶媒を加えて 1リットルの 0.2 M溶液とします 溶液を希釈した後は 濃度は変わったものの 過マンガン酸カリウムのモル数は 同じままです