原子の大きさは 電子や軌道によって 決まります しかし 軌道は限られた 空間を表すものではなく 電子がどこにあるかという 統計的な 確率を表すものです では 原子の大きさは どのように定義され 何が影響しているのでしょうか?原子半径は2つの方法で 記述することができます 非結合性原子半径(原子の ファンデルワールス半径)は 原子の固体中で 隣り合う原子核間の距離の 2分の1の大きさです 逆に 金属と非金属を 区別するのが 結合性原子半径 共有結合半径)です 金属では 結晶構造中の 原子の半径は 隣り合う2つの原子の 中心間の距離の 2分の1と 表されます 非金属の二原子分子では 半径は結合した原子の 中心間の距離の 2分の1と表されます 周期表には 原子半径と呼ばれる 共有結合の変化が 描かれていますが これは原子価電子の 主エネルギー準位の数と 実効核電荷の 2つの要素に影響されます ここでは 主要な族の元素の 原子半径の傾向を示しています 主量子数nは 元素ごとに 1ずつ増加していきます このように 外側の電子が 原子核から遠ざかるほど 原子半径は大きくなります 例えば 1族を 下に移動すると リチウムからセシウムへと 原子半径が大きくなります この傾向は 周期表全体で 示されています さらに このプロットを見ると 各アルカリ金属で 原子半径が最大になり 各希ガスで 最小になることがわかります 原子半径が 周期的に減少していることは 実効核電荷で説明できます 有効核電荷の概念を 思い出してください 多電子原子では 内殻電子が外殻電子を 原子核の引力から 部分的に遮蔽しています このため 外殻電子が 感じる電荷である 実効核電荷は 実際の核電荷よりも 小さくなります 同じ価数殻内の電子は お互いをあまり 効果的に遮蔽しません この周期中 内殻電子の数は 一定であるのに対し 核電荷は 増加します このように 実効核電荷が 着実に増加すると 外殻電子の遮蔽が少なくなり 原子半径が減少します しかし ほとんどの 遷移元素の原子半径は 各列に渡って ほぼ一定に保たれています これは 最も外側の 主エネルギー準位にある 電子の数が ほぼ一定であるためです