フッ化水素酸にみられるような 共有結合では 電子はより電気陰性の 高い原子の方に 引っ張られます このような結合は 極性結合と呼ばれます 電荷分離により 結合双極子 モーメントと呼ばれる ベクトルが作成され これは ギリシャ文字のミューで示します その値は 部分電荷の大きさと それらの間の距離の積です このベクトルは 電子陰性度の 低い原子から 電子陰性度の高い 原子を指しており 結合双極子モーメントを 示しています その長さは2つの原子間の 電子陰性度の差の大きさに 比例します 異なる元素の原子を含む 二原子分子の多くは 双極子モーメントを持つため 極性分子です 静電ポテンシャルマップは 化合物の電子密度の高い領域と 低い領域をそれぞれ 赤と青の色で示しています 中間の色は中程度の 電子密度を表しています 多原子化合物では 正味の双極子モーメントは 個々の結合双極子モーメントと 化合物の形状によって決まります 2つの極性結合を持つ 水分子を考えてみましょう これは曲がった形をしており 極性分子です 対照的に 二酸化炭素分子は 直線状です 2つの炭素-酸素結合は 極性を持っていますが 逆方向に向いているため お互いの 双極子モーメントが相殺され 分子全体が非極性になっています 硫化カルボニル分子も 直線的です 但し カーボン酸素および カーボン硫黄の結合の 双極子モーメントは 互いに相殺されず 分子に 純双極子モーメントがあります 三フッ化ホウ素は 三角平面化合物です ホウ素-フッ素の 結合の双極子モーメントは 分子対称性のために 互いに取り消し 混合物は非極性です ただし 炭素-酸素結合と 炭素-硫黄結合の 双極子モーメントは 互いに打ち消し合うことはなく 分子には正味の 双極子モーメントがあります テトラフルオロメタンは 四面体分子であり 四つの同一の極性結合の 双極子モーメントが互いに 打ち消し合うため 非極性化合物です フルオロメタンは 四面体分子です しかし C-F結合は C-H結合に比べて 大きな双極子モーメントを持ち 結合の双極子モーメントが 互いに打ち消されないため 正味の双極子モーメントを 持っています 電場中では 極性分子は 正の端を負の板に 負の端を正の板の向きに 向けて配置します 対照的に 非極性分子は 電場の影響を受けません 一般的に 極性溶媒は 極性溶質を溶解し 非極性溶媒は 非極性溶質を溶解します 水は極性であり 一般的に砂糖として知られる ショ糖などの極性化合物を 容易に溶解します 油は非極性で 水中では混和性がありません