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2.16:

溶媒

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溶媒とは分子を分解する 物質のことで 分解される物質は溶質と呼ばれます 例えば、細胞の細胞質内にある 水は生命の存続に必要な 様々な栄養素を分解・伝達してくれます 細胞内の化学物質は水の持つ極性により 水素原子の+と 酸素原子の-の性質を持ち合わせています 例えば、塩や塩化ナトリウムなどのイオン化合物があると それぞれのイオンは水に引き寄せられ 水素結合します そうすると、水は物質の周りを取り囲み、溶質が拡散して水和状態となり 溶液と呼ばれる均一的な混合物となります

2.16:

溶媒

溶媒とは、たいていは液体であり、他の物質を溶かすことができる物質です。溶かされる物質は溶質と呼ばれます。溶媒と溶質が結合すると、分子レベルで溶媒と溶質の両方が均質に混在した溶液となります。水は普遍的な生物学的溶媒です。その極性構造により、他の多くの極性化合物を溶解することができます。水の溶解能力は、水分子同士の結合と溶質との結合のバランスによって決定されます。

飽和溶液は、溶解可能な溶質の最大量を含みます。例えば、塩(NaCl)は簡単に水に溶解し、塩水(食塩水)となります。これは、塩がそれぞれのイオンであるナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl-)に解離するからです。水は極性があるので、わずかに負に帯電した酸素原子が正に帯電したナトリウムイオンに引きよせられます。1つのナトリウムイオンに複数の水分子が結合し、水和層を形成します。同様に、水の水素原子はわずかに正に帯電しているため、負に帯電した塩化物イオンに引きよせられ、再び塩化物イオンの周りに水和層を作ります。これら水和殻によって、溶質粒子が分離・分散状態に保たれ、溶液が作られるのです。

食塩水の飽和溶液には、室温で約26%の塩化ナトリウムが含まれます。さらに塩が加わると、余剰分は溶液に溶け込むことができず、底で沈殿物となります。アメリカのユタ州にあるグレートソルト湖の塩分含有量は5〜27%です。イスラエル、ヨルダン、ヨルダン川西岸地区に接する死海の塩分含有量は~34%になります。これは、水の塩分飽和量よりもかなり高いものです。余剰分の塩は沈殿析出し、驚くような塩の結晶を形成します。

溶質の溶解度(水に溶ける能力)は、生物学的機能にとって重要です。例えばタンパク質やアミノ酸は細胞に入るために溶解していなければなりません。同様に、数ある中でもナトリウムイオン、塩化物イオン、カリウムイオン、カルシウムイオンは細胞の機能に必要です。タンパク質、イオン、その他の栄養素は、血液に溶けており、水分の約79%にあたります。腎臓は、浸透圧調節と呼ばれるろ過の際に、これらの溶質を、取り除いたり加えたりすることで、血液中に溶けた溶質を適切な量に保っています。