Back to chapter

13.12:

翻訳

JoVE Core
Biology
A subscription to JoVE is required to view this content.  Sign in or start your free trial.
JoVE Core Biology
Translation

Languages

Share

翻訳は 伝令RNAの鋳型から タンパク質を合成する過程です この過程は メチオニンtRNAに結合した リボソームの小サブユニットが mRNAの5つの主要な末端に 結合すると始まります 次いで小さなサブユニットが 翻訳開始部位として作用する AUGコドンに至るまで 5’から3’の方向に調べていきます 次にメチオニンtRNAのアンチコドンが AUGコドンとペアになり リボソームの大きなサブユニットを補充します アミノ酸を運ぶtRNAがアンチコドンを介して mRNAの次のコドンに結合すると 新しいタンパク質の合成が始まります この作用により 新しいアミノ酸が 以前に組み込まれた アミノ酸の近くに置かれ 2つのアミノ酸の間に ペプチド結合が形成されます リボソームが配列の 次のコドンに移動すると 翻訳が継続します この前進の動きは転座と呼ばれ リボソームが終止コドンに 出会うまで続きます 終止コドンは独特で tRNAがありません 代わりに 放出因子と呼ばれるタンパク質が 終止コドンに結合し リボソームに新たに合成された タンパク質を放出させ リボソームを解離させます

13.12:

翻訳

概要</h4

翻訳とは、メッセンジャーRNA(mRNA)が持つ遺伝情報をもとに、タンパク質を合成するプロセスです。転写に続いて、遺伝子の発現の最終段階を担います。このプロセスは、タンパク質と特殊なRNA分子の複合体であるリボソームによって行われます。リボソーム、トランスファーRNA(tRNA)、その他のタンパク質は、アミノ酸の鎖であるポリペプチドの生成に関与します。

翻訳が生命の構成要素を生み出します

タンパク質は、筋繊維から頭髪、免疫システムの構成要素に至るまで、すべての生物の大部分を構成していることから、生命の構成単位と呼ばれています。遺伝情報は、転写と翻訳というプロセスを経て、機能的なタンパク質に変換されるというのが生物学の基本的な考え方です。

翻訳は核の外で行われます

真核生物は膜で覆われた核を持ち、ここでDNAからmRNAが転写されます。転写後、mRNAは核の外に運ばれ、アミノ酸の鎖、すなわちポリペプチドに翻訳され、最終的には機能的なタンパク質になります。この作業は、細胞質や粗面小胞体で行われ、ポリペプチドはさらに修飾されます。一方、原核生物には核膜がないため、原核生物の翻訳は細胞質で行われ、時にはmRNAがまだ転写されている間に行われます。

mRNAのコドンの配列がポリペプチドの配列を決めます

mRNAの各コドンは、細胞内にストックされている20種類のアミノ酸の1つに対応しており、またアミノ酸をコードしないストップコドンも含まれています。翻訳の際に、コドンの配列に基づいて正しいアミノ酸をリボソームに供給する役割を果たすのが、もう一つのRNA分子、トランスファーRNA(tRNA)です。tRNA分子の一方の端では、アミノアシルtRNA合成酵素と呼ばれる酵素が、特定のアミノ酸を共有結合で付着部位に結合させ、tRNAのもう一方の端に位置するアンチコドン配列が、正しいアミノ酸をリボソームに確実に供給します。一部のtRNA分子は、複数のコドン配列と結合することができ、ゆらぎ効果(wobble effect)として知られるコーディングの多様性を可能にしています。これは、tRNA分子がmRNAコドン配列の3番目のヌクレオチドに対する結合特異性が、最初の2つのヌクレオチドに比べて低いことに起因しています。

一部の遺伝性疾患は翻訳の欠陥に起因します

翻訳は、さまざまな細胞構成要素に依存する複雑なプロセスです。この多様なツールキットのいずれかの部分に影響を与える変異は、疾患の原因となります。例えば、白内障症候群として知られる鉄蓄積性疾患の高フェリチン血症は、翻訳開始タンパク質を呼び寄せるのに重要なmRNAの5’非翻訳領域の突然変異に起因します。これらの変異により、鉄タンパク質であるフェリチンの翻訳速度が異常に高くなり、患者の血液や組織中にフェリチンが蓄積されます。その結果、眼球のレンズが濁ってしまいます。他にも、tRNAやリボソームサブユニットをコードする遺伝子の変異が関係する病気があります。例えば、骨髄疾患のダイヤモンド・ブラックファン貧血は、小リボソームサブユニットを構成するRPS19遺伝子の変異に起因します。

Suggested Reading

Scheper, G. C., van der Knaap, M. S., & Proud, C. G. (2007). Translation matters: protein synthesis defects in inherited disease. Nature Reviews Genetics, 8(9), 711. [Source]