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14.10:

エピジェネティック制御

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Epigenetic Regulation

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エピジェネティック制御とは 遺伝子配列を変えずに遺伝する 遺伝子発現の変化のことです これは通常の発達過程で起こり 食事や有害物質との接触 ストレスなどの 環境要因によっても引き起こされます エピジェネティック制御は 3つの主なメカニズムで生じます:DNAメチル化 ヒストン修飾 RNAベースのプロセスです DNAメチル化では メチルのCH3基が特定の塩基に付加します 転写因子などの調節タンパク質が DNAに結合する能力を変え 通常は遺伝子が 転写するのを妨げます ヒストン修飾には ヒストンタンパク質に メチル基やアセチル基などの 化学基を付加することが含まれます こうした修飾は クロマチンが どの位密接に折り重なるかに影響し 間隔をあけて転写を容易にするか 凝縮させて転写を阻害するかの いずれかになります マイクロRNAと低分子干渉RNAを含む 様々な種類のRNAにも エピジェネティック効果があり クロマチン構造を変化させます メチル化する伝令RNAは 遺伝子の翻訳を変化させます メカニズムがどうであれ これらの修飾は娘細胞に受け継がれ 時には何世代にも渡って受け継がれ ゲノムを変えることなく 表現型を長期的に変化させます

14.10:

エピジェネティック制御

エピジェネティックなメカニズムは、健康な成長に不可欠な役割を果たしています。逆に、正確に制御されたエピジェネティックなメカニズムが破壊されると、がんなどの病気になります。

ほとんどの哺乳類では、雌は2本のX染色体(XX)を持ち、雄はXとYの2本の染色体(XY)を持っています。X染色体には、Y染色体よりもかなり多くの遺伝子が含まれています。そのため、雌でX染色体に関連する遺伝子が過剰に発現するのを防ぐために、発生初期に2本のX染色体のうち1本をランダムに不活化します。X染色体の不活性化と呼ばれるこのプロセスは、DNAのメチル化によって制御されています。科学者たちは、不活性化されたX染色体の遺伝子プロモーター部位では、活性化されたX染色体よりもDNAメチル化の度合いが大きいことを見出しました。DNAメチル化は、転写装置がプロモーター領域に結合するのを妨げ、その結果、遺伝子の転写が阻害されます。

異常なDNAメチル化は、がんにおいて重要な役割を果たしています。ほとんどの遺伝子のプロモーター領域には、シトシンとグアニンのヌクレオチドがリン酸基でつながった領域があります。これらの領域はCpGアイランドと呼ばれています。健康な細胞では、CpGアイランドはメチル化されていません。しかし、がん細胞では、がん抑制遺伝子や細胞周期調節因子のプロモーター領域にあるCpGアイランドが過剰にメチル化されています。メチル化によって、これらの遺伝子の発現が停止し、がん細胞が急速かつ無秩序に分裂するようになります。

Suggested Reading

Weinhold, Bob. “Epigenetics: The Science of Change.” Environmental Health Perspectives 114, no. 3 (March 2006): A160–67. [Source]

Gudsnuk, Kathryn, and Frances A. Champagne. “Epigenetic Influence of Stress and the Social Environment.” ILAR Journal 53, no. 3–4 (December 2012): 279–88. [Source]

Simmons, Danielle “Epigenetic influence and disease.” Nature Education 1 no. 1 (2008):6  [Source]

Lim, Derek H. K., and Eamonn R. Maher. “DNA Methylation: A Form of Epigenetic Control of Gene Expression.” The Obstetrician & Gynaecologist 12, no. 1 (2010): 37–42. [Source]