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4.9:

ゴルジ体

JoVE Core
Biology
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JoVE Core Biology
Golgi Apparatus

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真核細胞の小胞体(ER)の横には ゴルジ体があります。コンパートメントに結合した円盤型の膜が集まったもので シス面とトランス面の2つの面を持ちます。各面には タンパク質と脂質の修飾や 正確な分類に関連する独自の酵素と 輸送タンパク質が含まれます。ERの最も近くに位置する管状のクラスターは タンパク質と脂質が最初に入る シス・ゴルジ網を作っています。分子は、槽と呼ばれる中部を通りますが シス嚢が入り口となります。ここでは、糖分子の追加や除去をする グリコシル化と脱グリコシルが起こります。次に、タンパク質がさらにグリコシル化が起こる メディアル槽とトランス槽へと移動します。ここでは、リン酸塩やスルホン酸基を追加する リン酸化と硫酸化も起こります。こうした修飾によって タンパク質が最終目的地で機能できるようになります。ERから最も離れたトランス・ゴルジ網は タンパク質に目的地のラベルを与えます。例えば、マンノース6リン酸のタグは 消化のためにタンパク質をリソソームへと移動します。タグに応じて 輸送小胞は特定の目的地へ送られます。例えば、細胞膜や 誘発されると細胞からその内容物が放出される 分泌小胞などです。

4.9:

ゴルジ体

小胞体を出た後、適切に折りたたまれ、組み立てられたタンパク質は、選択的に小胞にパッケージされます。これらの小胞は、微小管ベースのモータータンパク質によって輸送され、融合して小胞性の管状クラスターを形成し、その後、真核生物の膜内小器官であるゴルジ体に到着します。

ゴルジ体は、小胞体の生成物の主要な選別・発送ステーションです。新たに到着した小胞は、ゴルジ体のcシス面(小胞体に面した面)に入り、パンケーキ状の膜で囲まれた槽(シスターナ)の集合体を通って輸送されます。それぞれの槽には、ユニークな組成の酵素が含まれており、タンパク質の特定の修飾を行います。タンパク質がゴルジ網を通過する際、一部のタンパク質はリン酸化され、小胞体で付加された特定の糖鎖修飾が除去されます。その後、タンパク質はメディアル槽を通過し、そこでグリコシル化されて糖タンパク質を形成することがあります。トランス槽で修飾された後、タンパク質には細胞内での目的地を示すタグが与えられます。

分子タグに応じて、タンパク質は小胞にパッケージされ、リソソームや細胞膜など特定の場所に運ばれます。これらの小胞の膜上にある特定のマーカーによって、タンパク質は適切な細胞の場所にドッキングすることができます。また、ゴルジ体では膜のリン脂質が修飾されたり、多糖類が製造・分泌されたりします。

興味深いことに、ゴルジ体は細胞分裂の際に完全に分解され、再構築されます。以前は、ゴルジ装置は、タンパク質が徐々に移動する静的な構造と理解されていました。最近では、ゴルジ体の槽の集合体を、ネットワークのシス面からトランス面に向かってユニットとして進む、動的な構造と見なすようになっています。

Suggested Reading

Huang, Shijiao, and Yanzhuang Wang. "Golgi structure formation, function, and post-translational modifications in mammalian cells." F1000Research 6 (2017). [Source]

Suda, Yasuyuki, Kazuo Kurokawa, and Akihiko Nakano. "Regulation of ER-Golgi transport dynamics by GTPases in budding yeast." Frontiers in Cell and Developmental Biology 5 (2018): 122. [Source]