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34.11:

水とミネラルの獲得

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Water and Mineral Acquisition

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多くの植物では、質量の80%を 水が占めています。水は光合成、代謝、そして 栄養素やその他の分子の 輸送に欠かせません。同様に、無機栄養素も 植物の成長と生殖に 必要不可欠です。例えば、窒素は アミノ酸などの 重要な生体分子の 構成要素であり、カリウムは気孔の 開閉で重要な 役割を果たします。植物はどのようにして 栄養素と大量の水を 吸収しているのでしょうか?植物の多くは 水と無機栄養素を 根付いた土壌の中から 吸収しています。植物の根は水素イオンと 二酸化炭素を排出します。二酸化炭素は水と反応して 重炭酸イオンと さらにもう一つの 水素イオンを生成します。水素イオンは 負の電荷を帯びた 土壌粒子と結びつき、土壌からは正の電荷を 帯びたイオン、カリウムなどが 土壌溶液に放出されます。このプロセスは 陽イオン交換と呼ばれ、植物が吸収する 栄養素を作り出します。根の構造と枝分かれの パターンは、水と栄養素を効率的に 吸収するために重要です。例えば、土壌と接する 外層の細胞は 小さな根毛を 形成します。この特殊化した細胞による 巨大な表面面積から 能動的または受動的に 水を吸収します。例えば、水と 溶存栄養素は すべての細胞壁と 細胞間に充満している アボプラスとの中に 受動的に浸透します。細胞膜の 内側の空間を シンプラストと呼びます。水は浸透作用によって 細胞膜を通り抜け、シンプラストの中に入り、栄養素は 能動輸送で吸収されます。水と無機栄養素が シンプラストに入ると、自由に細胞間の 結合部を通りながら 根の中心へと 移動していきます。一方、アポプラスト内の 水と栄養素は、カスパリー線によって ブロックされ、中心柱に 入ることはできません。カスパリー線とは、中心柱を取り囲む 内皮細胞の層で、不透水性の スベリンを含みます。このような構造が 不要な物質や 有害な物質が入り込むのを 防いでいます。根の中心部に 入るためには、すべての溶質が原形質膜を 通らなければなりません。シンプラストに入った 水と栄養素は 中心柱に入り、そこから植物の 全体に分配され、それぞれの 重要な役割を果たすのです。

34.11:

水とミネラルの獲得

植物の根には、土壌中の水やミネラル、一部のイオンを取り込むための特殊な組織があります。根には様々な枝分かれのパターンがあります。根の一番外側の細胞には根毛と呼ばれる特殊な構造があり、これが根の表面を増やし、土壌との接触を高めています。土壌中の水の濃度は根の組織の濃度よりも高いため、水は受動的に根に侵入します。一方、ミネラルは根の細胞内に積極的に運ばれます。

土はマイナスの電荷を帯びているため、プラスのイオンは土の粒子に付着したままになりがちです。これを回避するために、根は二酸化炭素を土中に送り込み、二酸化炭素は自発的に分解され、正電荷のプロトン(H+)を土中に放出します。これらのプロトンは、土壌に存在する正電荷のイオンを置換し、根の組織に送り込むことができます。負電荷の陰イオンは、H+イオンが濃度勾配を下って拡散し、共輸送を利用して根細胞に戻る傾向を利用します。

分子は2つの経路で中心柱と呼ばれる根組織の中心部に移動できます。アポプラスト輸送とは、隣り合う細胞の連続した細胞壁と、それに対応する膜の間にできた空間を分子が移動することです。これにシンプラスト輸送は、植物細胞の細胞質内での分子の移動であり、原形質連絡と呼ばれる細胞接合部を利用することで、隣接する細胞間での分子の自由な細胞質通過を可能にします。根の内皮にあるカスパリー線はアポプラストにある溶質が中心柱に入るのを妨げるため、中心柱に入るためには、分子はシンプラストに移動する必要があります。したがって、溶質がシンプラストに入るためには、細胞の半透膜を通過しなければならず、土壌中の有害な分子や不要な分子から細胞を保護することになります。

Suggested Reading

Barberon, Marie, and Niko Geldner. "Radial Transport of Nutrients: The Plant Root as a Polarized Epithelium." Plant Physiology 166, no. 2 (October 1, 2014): 528–37. [Source]

Kim YX, Ranathunge K, Lee S, Lee Y, Lee D, Sung J. "Composite Transport Model and Water and Solute Transport across Plant Roots: An Update." Front Plant Sci. 2018 Feb 16;9:193. [Source]