電気自動車から 漏れた水素ガスは 大気中のオゾン層と 反応して水を 生成することがあります このような反応の場合 実験室で 直接エンタルピーの変化を 測定することは困難です しかし この反応は 実験室で 2段階に分けて行うことで 各段階のエンタルピーを 測定することができます ステップ1では 酸素ガスが オゾンガスに変換され ΔH_1は285.4キロ ジュールに等しくなります ステップ2では 水素ガスと 酸素ガスが結合して 水蒸気を生成し ΔH_2は 483.6キロジュールに 相当します エンタルピーは 状態関数であるため 反応のエンタルピーの変化は 中間段階に関係なく 系の初期状態である水素とオゾン 最終状態である 水にのみ依存します ヘスの一定熱和の法則は 化学式を複数のステップで 書くことができる場合 式の正味のエンタルピー変化は 各ステップに関連する エンタルピーの合計として 書くことができるということを 述べています 多くの場合 熱化学反応は 反応を所定の反応に 合計するために 操作される必要があります 化学量論量と 反応の方向を変更して 操作された各反応の 新しいエンタルピーを 決定することができます この例では エンタルピーの変化が 既知の2つのステップを 直接足して未知の反応の エンタルピーを求めることは できません これは 最初の式では 生成物としてオゾンがあり 関心のある反応では 反応物として オゾンがあるためです これを考慮するために 最初の式は 吸熱反応であり オゾンが酸素に分解して 285.4キロジュール放出する 逆の吸熱反応に 変換しなければなりません 新しいデルタHの値は 同じですが 符号が逆になります それでも ステップ1と ステップ2の逆を加えても 化学量論的係数が異なるため オゾンから水への変換のように 3モルの水は得られません これを説明するために 各反応の化学量論的係数と 関連するエンタルピー変化は 係数を関心のある 反応に一致させるか または 相殺することができるように 係数を乗算する必要があります エンタルピー変化は 反応物と生成物の量に 依存するので 係数とエンタルピー変化の比は 一定のままです 3モルの水を得るためには ステップ2を2に3を 掛け合わせる必要があり 新しいΔH_2は 725.4キロジュールです 1モルのオゾンを 消費するためには ステップ1の逆を2に1を掛けて 新たなΔH_1は 142.7キロジュールと なります 修正された熱化学式を合計し 反応物と生成物の 両方に現れるすべての 化合物をキャンセルすると 目的の反応が得られます 新しいΔH 1と 2を加えると 水素とオゾンの反応の エンタルピー変化は 868.1キロジュールに なります