モデル生物としてのニワトリ(Gallus gallus domesticus)の強みは、胚が母鶏の体外で発生するため、容易に実験操作を加えることが可能なことです。多くのテクニックにより殻の中(in ovo)のニワトリ胚の研究が可能となりますが、発生後期の胚へのアクセスは難しくなります。しかし、ニワトリ胚はex ovoつまり殻の外でも培養可能なのです。ex ovo培養法の大きな利点は、殻や卵内の胚の配置に邪魔されることなく組織にアクセスできることです。特に発生後期の胚を利用したいときに役に立ちます。
ex ovo培養法には、全卵黄培養と外植体培養の2通りのやり方があります。全卵黄培養は、殻を壊し卵の内容物を容器に移して培養する方法です。一方、外植体培養は、卵黄から胚を切り出し、膜の張力を保つためにマウントして培養します。膜の張力を維持することが正常に発生させるための鍵となります。
このビデオでは、全卵黄培養と外植体培養の基本プロトコルや培養のノウハウを解説しています。さらに、ex ovo培養法の実験へのアプリケーション例や後期発生胚の顕微鏡法や遺伝子操作への応用方法を紹介しています。
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