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20.10:

脊髄(せきずい)

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Biology
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The Spinal Cord

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脊髄は 中枢神経系の一部を成す 太い円柱状の神経組織で,末梢から脳への 求心性感覚情報と 脳から末梢への 遠心性運動情報を伝達します。断面をみると,脊髄内部の灰白質は 蝶のかたちをしています。灰白質の腹側角には運動ニューロンが含まれています。運動ニューロンは,上行路および下行路の両方の軸索の 白質に囲まれています。中心には神経管に栄養を与える 脳脊髄液を含んでいる 中心管があります。脊髄自体は、硬膜を含む膜、脊髄髄膜に囲まれています。脳幹に接続されている脊髄は、大腿骨孔と脊柱の一連の骨を通って、腰椎L1, L2までつながっていて,馬尾と呼ばれる 長い神経束を 形成しています。位置によって,脊髄の領域は細分化されており,対になった脊髄神経を伴っています。例えば,領域C2からC7の頸椎は,首、肩、腕、および手を神経支配する 神経に対応しています。各椎骨内で、神経根対は椎孔を通って 別々の枝に出ていきます。腹側神経根は筋肉を対象に 動きを制御し、一方、背側神経根は皮膚を神経支配して 感覚を伝達します。特定の脊髄神経によって神経支配された皮膚の各領域は、ダーマトームと呼ばれ、ダーマトームマップによって描かれます。マップは、臨床医が特定の痛みや肌の状態が どこから発生しているのかを特定するのに 役立つように設計されています。

20.10:

脊髄(せきずい)

脊髄は中枢神経系の主要な神経管であり、末梢からの感覚情報を脳に伝え、脳からの運動情報を身体に伝える役割を果たしています。人間の脊髄は、頭蓋骨の底にある孔(大孔)から、第1腰椎または第2腰椎の高さまで伸びています。

断面図

脊髄は円筒形で、白質と灰質の両方を含んでいます。中央には原始神経管の内腔の名残である中心管があり、脳脊髄液腔の内部システムの一部となっています。断面を見ると、中心管を囲む灰白質は蝶の形をしています。

その蝶の羽は背角と腹角に分かれており、背角には感覚情報を伝達する感覚核があり、腹角には骨格筋を支配する軸索を持つ運動ニューロンがあります。

白質は灰白質を取り囲んでおり、有髄線維を多く含んでいます。白質は背柱、側柱、腹柱と呼ばれる縦方向の束になっています。脊髄の周りには3つの膜があります。脊髄の表面に密着しているのが軟膜、次にくも膜、そして一番外側の丈夫な膜である硬膜です。

組織構造

脊髄は4つの領域に分かれていて、それぞれに組織化されています。脊髄から出る神経は31対あり、頸部8本、胸部12本、腰部5本、仙骨5本、尾骨1本となっています。

皮膚組織

脊髄の各部分は、身体の異なる領域を支配しており、皮膚上では「皮膚分節」として表されます。皮膚分節は、単一の後根神経節から発生する末梢神経によって供給される皮膚の領域です。臨床的には、ダーマトームマップは、脊髄病変のレベルを決定したり、末梢神経根病変の局在化に有用です。しかし、隣接する脊髄セグメントのダーマトームにはかなりのバリエーションと重複があることを考慮に入れなければなりません。脊髄神経は31対あるが、C1には一般的に脊髄根がないため、30個のダーマトームしかなく、したがって、最初のダーマトームはC2に対応します。

Suggested Reading

Hochman, Shawn. “Spinal Cord.” Current Biology 17, no. 22 (November 20, 2007): R950–55. [Source]

Ahuja, Christopher S., Satoshi Nori, Lindsay Tetreault, Jefferson Wilson, Brian Kwon, James Harrop, David Choi, and Michael G. Fehlings. “Traumatic Spinal Cord Injury—Repair and Regeneration.” Neurosurgery 80, no. 3S (March 1, 2017): S9–22. [Source]