パウリの排除原理や フントの最大多重度の法則 アウフバウの原理を拡張して あらゆる元素の電子配置を 考えることができます ナトリウムの電子配置を 書いてみましょう ナトリウムの中心電子分布は 先行する元素である ネオンのそれと全く同じです 1価電子は 3s軌道を占めています ネオンは周期表の 18番目の列 つまり希ガスに 属しています これらの元素の電子配置は 他の元素の電子配置の 凝縮した描写を容易にします どのような元素でも 中心となる電子配置は 周期表の中でそれより前にある 希ガスの電子配置と同じです 例えば ナトリウムの電子配置は ネオンコア3s1と 書くことができます カリウムのコア電子配置は 1s22s22p63s23p6で 1つの価電子を残しています では19個目の電子は 3d部分殻に入るでしょうか?4s部分殻は3d部分殻よりも 低エネルギーなことが多いですが 4s部分殻はかなりの 浸透力を持っていることを 思い出してください したがって アウフバウの原理で 4s部分殻は 3d部分殻よりも先に 満たされることになります 先行する希ガスである アルゴンの殻構造は 電子配置を書くために 使用されます これらの原理は 出発点となるものですが 実際の電子配置は実験的に 確認する必要があります 遷移元素 ランタノイド アクチノイドのうち 数種の元素では軌道エネルギーの 相対順序が異なっており アウフバウの原理が 完全に守られていない 場合があります 遷移元素では 3d部分殻と 4s部分殻は 同じようなエネルギーを 持っています 4s部分殻は完全に 満たされていることが多いです 例えば スカンジウムでは 電子配置は アルゴンコアの 4s23d1です 亜鉛では 4s部分殻と 3d部分殻が 最大容量まで満たされています しかし クロムや銅のような いくつかの金属の基底状態は 4s軌道を単独で占有しています 特にクロムは2つの部分殻が 部分的に充填されており アウフバウの原理から 外れていることが注目されます セリウムからルテチウムまでの ランタノイド系では 6sと4fの部分殻は同じような エネルギーを持っています ネオジムの電子配置は キセノンコアの6s24f4です 一方 セリウムは 6s 4f 5dの 部分殻のエネルギーが 異常に近く キセノンコアの 電子配置は6s24f15d1と 特殊なものになっています