化学結合の種類は 非極性共有結合なのか 極性共有結合なのか イオン結合なのかは 結合している原子間の 電子陰性度の差と その結合の長さによって 大きく決まります 臭素では 2つの臭素原子間の 電子陰性度の差がゼロであるため 2つの臭素原子間の結合は 非極性です 臭化水素では 電子陰性度の高い臭素が 電子陰性度の低い水素原子から 電子密度を引き離すため 結合は極性共有結合です 臭化カリウムでは 電子陰性度の差が大きいため 結合はイオン結合となり カリウムから臭化水素への 完全な電子移動が行われます 同じように帯電していても 反対に帯電している 2つの粒子が距離を隔てて 双極子が形成されます この双極子の定量的な尺度は 電荷の大きさQ(クーロン)と 電荷間の 距離r(メートル)の積である muという文字で表され 双極子モーメントと 呼ばれています 双極子モーメントは デバイ単位で与えられ 1デバイは 3.34×10^30 C*mです 化合物が極性共有または イオン性であるかどうかは 完全な電子移動を仮定した 双極子モーメントに対する 結合の測定された 双極子モーメントの比である パーセントイオン性の 特性を計算することによって 決定することができます 50%以上のイオン性結合は イオン性とみなされます 水素原子とフッ素原子が 92pmの距離で 隔てられている フッ化水素を考えてみましょう この結合がイオン性の場合 電子が完全に移動したと仮定して 双極子モーメントを計算します 電子の電荷に 原子間距離を乗じて 得られた値を1デバイで割ると 4.41Dの双極子モーメントが 得られます しかしフッ化水素の 実験的に測定された双極子 モーメントは1.18Dです したがってフッ化水素の イオン性を求めるためには 測定値1.18Dを4.41Dで 割ることになります 41 Dで割ると 41%のイオン性が得られます フッ化水素のパーセント イオン性は50%未満であり 極性共有結合であることが わかります