原子軌道とは 原子の電子が 最も多く存在する 領域のことです しかし それぞれの軌道は 何個の電子を 持つことができるのでしょうか?この疑問に答えてくれるのが パウリの排除原理です すべての軌道は 固定の主成分 角運動量 方位角運動量 磁気量子数に 対応しています 例えば 1s軌道の電子は 常に主量子数が 1方位角運動量と 磁気量子数が0です したがって 同じ原子軌道に 存在する電子は 異なるスピン量子数値を 持つ必要があります スピン量子数には 1/2と-1/2の 2つの値しかないことを 思い出してください したがって同じ軌道を占められる 電子は2つしかありません つまり 1つの軌道を持つ s部分殻には 2つの電子しか入れず 3つの軌道を持つ p部分殻には 6つの電子が 入ることができます d部分殻は10個 f部分殻は14個の電子を 収容することができます 原子の原子軌道間の 電子の分布は その電子配置によって テキストまたは 図の形で表されます 基底状態の 水素原子を考えてみましょう 1つの電子が最低エネルギー軌道 である1s軌道を占めます 電子配置が書かれた文字は それぞれの占有部分殻を 対応する殻の番号 部分殻の文字 部分殻内の電子の 数を示す上付きの番号で 表します 電子配置の軌道図のスタイルは 占有部分殻内の各軌道を 箱または線で表し 各電子を矢印で表します 上向きの矢印は1/2スピン スピンアップ)を表し 下向きの矢印は-1/2スピン スピンダウン)を表します したがって 水素の軌道図には 上向きの矢印が 1本あることになります ヘリウムの 電子配置は1s^2です 2つの電子は同じ殻と 部分殻に属しているので 3つの同じ量子数を持っています 2つの電子のスピン量子数は パウリの排除原理に 基づいて異なります 逆のスピンを持つ電子が 同じ軌道に入っていることを 対になっている」といいます 原子番号が3のリチウムでは 1s軌道の2つの電子が 対になっており 2s軌道の電子は 不対になっています 従来は 不対の電子は スピンアップで 表されていました