実験室での溶液調製法

General Laboratory Techniques

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Summary

溶液の適切な調製は、ほぼ全ての生物学および化学実験において基本の実験手技となります。溶液は溶媒中に溶解した溶質が均一に存在している液体です。溶液は、その溶質濃度つまり単位体積の溶液中に存在する溶質の量で表すことができます。

このビデオでは、水溶液調製の各工程を紹介しています。溶液調製に必要となる溶質の量の求め方と測定方法、また適量(QS)を加え目的の溶液を調製する方法、メニカスの説明、溶液の滅菌方法について説明しています。さらに、溶液調製の応用例として、例えばリン酸緩衝食塩水(PBS)などの生物学実験で一般的に使用される溶液とその使用例を紹介しています。これら溶液は生体内pHと細胞環境のイオン濃度を再現した緩衝液です。

Cite this Video

JoVE Science Education Database. 実験テクニックの概要. 実験室での溶液調製法. JoVE, Cambridge, MA, (2018).

溶液の調製は、世界中ほぼ全ての生物学、化学実験において必須となる手順です。

溶液とは液体中に物質が溶解したものです。その溶解した物質のことを溶質、その他の液体部分を溶媒と呼びます。そして最終的にできた均一混合物を溶液と呼びます。

溶液は、濃度で表すことができます。濃度とは単位体積の溶液中に含まれる溶質の量です。

溶液の調製は基本的な実験手技ですが、この操作の正確性が実験の成功と失敗の分かれ目ともなります。

溶液調製時には安全性を第一に考えましょう。グローブや実験着の着用など、取り扱う化学薬品に応じて適切な予防措置を取って下さい。

溶液調製にはいろいろな方法があります。これから最も一般的な水溶液の作り方を紹介していきます。

まずは目的とする濃度の調製に必要となる溶液中の溶質のモル数を考えます。次に、必要となる質量を化学薬品の分子量つまり1モル当たりのグラム数から算出します。

その化学薬品を電子はかり又は天秤を使って計量します。

それからメスシリンダーを使って、最終液量のおおよそ4分の3の精製水をはかり取ります。

水溶液の調製には水道水ではなく精製水を用いて下さい。水道水を使用してしまうと、溶液の質だけでなく、それに関係する多数の実験の質を落とすことになりかねません。

この時、精製水は撹拌子を入れたビーカーに移し、マグネチックスターラーに置いておきます。

はかり取った溶質を撹拌中の精製水に加えます。混合物を撹拌することで溶質が溶解しやすくなります。また熱をかけることも有効です。

溶質が全て溶媒中に溶けたら、pHメーターを使って溶液のpHを調整します。pHを上げたい時には希釈した水酸化ナトリウムを撹拌溶液に加えます。また下げたい時には希塩酸を加えます。pHは急激に変化するので酸又は塩基はゆっくりと加えましょう。

またpH試験紙を使用することも可能ですが、キャリブレーションをしたpH測定機を使用した方がより精密な測定が行えます。

次に 漏斗を使って 溶液をメスフラスコに加え目的の量にします。適量を加え目的の容量に調製することをQ.S.’ingと呼びます。

メニスカスをメスフラスコの標線にぴったりと合わせます。水溶液のメニスカスは凹型となるので、その下面を読みます。

生物学研究で使用する、特に生細胞を含む溶液は使用前に滅菌する必要があります。オートクレーブを利用し溶液を高圧下、高温水蒸気処理することで滅菌できます。

また、0.22ミクロンのフィルターを使って、バクテリア細胞を取り除き滅菌することも可能です。

溶液調製方法の基本を学んだところで、ここからは研究で一般的に使用される溶液とそのアプリケーションを見ていきましょう。

生物学研究では、生物由来溶液を再現した多数の溶液が作製されています。これらは 特定範囲内でpHの変化がない緩衝溶液であり、通常pH7.4に保たれ、細胞内液および外液の環境を模倣しています。

リン酸緩衝食塩水、PBSは生体内のpHとオスモル濃度を再現した バッファーで生物学研究で使用されます。オスモル濃度とは溶液中の溶質の総モル数のことです。例えば、塩化ナトリウム1モルを含む溶液は、溶液中でナトリウムイオンと塩化物イオンに電離し、2オスモルとなります。PBSは細胞環境に近いイオン濃度を有した等張液です。等張とは細胞内外で溶質の量が同等であることを意味します。 PBS中では何種類かの塩が形成されています。その中にはリン酸塩も含まれており、pHを7.2から7.6の間に保っています。

実験では、細胞の洗浄やタンパク質など生体分子の希釈にPBSが使用されます。

人工脳脊髄液又はACSFは、脳脊髄液の電解質濃度を再現しています。この溶液は用時調製し、またpH、オスモル濃度、イオン濃度をインビボ条件と一致するようしっかりとモニターする必要があります。

一般的には、脳切片を用いた電気生理の実験でACSFが使用されます。また、パッチクランプ測定の際の細胞外溶液としても利用されます。

リンゲル溶液はpHを一定に保つことのできる等張食塩水です。臓器や組織を用いるインビトロの実験で使用されます。

ここまでJoVE溶液の調製方法編をご覧いただきました。このビデオでは、溶液の調製方法のあれこれ、必要となる溶質の量の求め方、溶液を適量加える方法、また滅菌方法などを見てきました。さらに、生物学実験で一般的に使用される溶液についても紹介しました。

ご覧いただきありがとうございました。溶液は正しく調製しましょう。

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