化学反応の中には ロケット燃料の燃焼で スペースシャトルが 地上から飛び立つような ものすごい熱を出して周囲に 働きかけるものがあります 熱量qと仕事量wの和は 熱力学の第一法則で与えられた 内部エネルギーの変化量ΔEです 大気圧で発生する 気体を含む化学反応の場合 行われる仕事は 体積の変化に伴う 機械的な仕事 つまり 膨張または収縮です つまり 仕事は圧力の負の値に 体積の変化を 乗算したものになります 熱力学の第一法則の wを代入し 式の項を並べ替えると qはΔEにPを加えた ΔVに等しくなり 一定圧力下での 熱流の式が得られます 食品を調理するために 木材を燃やすような 他の化学反応では 周囲の膨張作用の量を 測定するよりも 調理を行うために 放出される熱を定量化することが より重要です 内部エネルギーは 熱と仕事の両方に関係し 一定の圧力条件では ΔEは使用されません 熱の形でのエネルギーの 流れだけを議論するために 新しい熱力学関数として エンタルピーが定義されています エンタルピーHは 内部エネルギーEと 圧力-体積の仕事P-Vの 合計に等しくなります エネルギー 圧力 体積は 状態関数なので エンタルピーも状態関数です 特定の物質の 絶対エンタルピー値は 測定できません エンタルピーの変化のみを 測定することができます エンタルピーの変化ΔHは 内部エネルギーの変化ΔEと PXΔVの合計に 等しくなります エネルギーの変化は 熱と圧力-体積の仕事の 和であることを考えると この式を組み合わせることで 一定の圧力条件下では ΔHはシステムによって 得られた または 失われた熱 qに 等しいことがわかります システムが熱の形で 周囲にエネルギーを失う場合 木材の燃焼のように)周囲の温度は上昇します これはqの負の符号の規則 によって記述されます その結果 ΔHは負になり この仮定は 発熱性と呼ばれます 逆に 化学的な冷却材で 起こる反応のように システムが熱の形で 周囲からエネルギーを得ると 周囲の温度は下がります この場合の熱は 正の符号の規則によって 記述されます これによりΔHが正となり その過程は 吸熱性と呼ばれます