研究室での温度コントロール: 加温

General Laboratory Techniques

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Summary

実験の多くは室温(RT; ~20-25℃)で実施されますが、温度コントロールが要求される実験も珍しくはありません。このビデオでは、実験で”温める”必要性が出てくる様々な理由を学ぶことができます。例えば、細胞培養は体温(~37℃)に近い温度で行うこと、タンパク質構造の変性のために56℃以上の温度を要すること、また必要に応じて試薬や溶液を100℃以上に加熱することもあります。さらに、温度計の正しい使い方や液体をかき混ぜながら温度測定を行う際の注意点にも触れています。実験室での温度コントロ

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JoVE Science Education Database. 実験テクニックの概要. 研究室での温度コントロール: 加温. JoVE, Cambridge, MA, (2017).

実験には、温度をコントロールするために多くの方法が利用されます。試薬を温めるとき、細胞増殖に適した温度設定で培養するとき、又動物の外科手術をする場合などには温度コントロールが重要となります。これからいくつかの加温方法とサンプルや試薬に応じた設定温度、また加温する理由について見ていきましょう。

まずは、研究における基本事項を確認しておきましょう。通常、実験では、セルシウス又は摂氏が温度の単位として用いられます。科学の世界ではメートル法が利用される一環として、温度を測定する際にはセルシウスが国際単位系となります。

ご存知の通り、温度計は温度を測定するための計器です。液体を加温又は冷却する際、より正確な温度を測定するためには、温度計が少なくとも10から15cm液体に浸かるようにします。温度計をしっかりと固定し、少なくとも容器の底から5cm、側面から温度計一つ分は離すようにしましょう。

液体をかき混ぜるときには、スターラーが温度計にぶつからないように注意して下さい。有害物質が飛び散る可能性がありとても危険です。

液体温度計の高さに目線を合わせ値を読み取ります。そのとき、温度計を握らないようにして下さい。体温により正確な測定ができません。

次は、一般的に実験に適用される温度について見ていきましょう。

実験の種類や研究室の設備に従って、室内温度を20℃から25℃の間に設定します。この設定温度は、特別な温度設定が要求される実験をのぞき、通常、室温として維持すべき温度になります。一般的にプロトコルの中で、室温はRTと表記されます。

“in vitro”の実験は、通常37℃の環境で行います。”in vitro”実験の場合は、組織、細胞、抽出物などを用いるため、生物の体内環境を再現する必要があります。一方で、in vivo実験は、実際の生物を利用します。哺乳動物の体温は通常37℃前後なので、in vitroの細胞培養実験でもその温度を用います。

56℃よりも高い温度になると、タンパク質の構造が変化します。この過程は熱変性と呼ばれ、タンパク質の形状が開いたり変わったりすることにより、抗体検出が容易になります。

水や水溶液は約100℃で沸騰します。 この温度は、室温では溶けにくい試薬を溶解させるのに適しています。

多くの場合、実験のプロトコルでは、各実験に適用すべき温度が設定されています。

通常ベンチで行う実験は、20℃から25℃の室温が至適温度です。

ほとんどの試薬や細胞培養液は、室温で安定しています。しかしながら、遮光が必要な試薬やフード内で無菌状態で行う実験、また組織や試薬を乾燥から守るために湿気を必要とする実験系もあります。

実験プロトコルに”細胞又は試薬を解凍する”と記載されているときは、37℃に設定した水浴を利用しゆっくりと温めます。プロトコルに加熱すると書かれている場合を除いて、氷のかけらが溶けたらすぐに水浴から取り出して下さい。

プロトコルに”培養液をあらかじめ温める”又は温めた試薬を使うと記載があるときにも、37℃の水浴で適切に加温できます。

溶液のコンタミネーションや周囲の水による希釈を防ぐために、スポンジフローティングラックを使って、凍結サンプルの解凍やマイクロチューブに入った溶液を温めます。必要に応じて、より安定性のある金属製のラックも使用できます。

大容量の液体にはプラスチックラックや金属製のクランプを使うことでサンプルを立てたまま加温できます。

哺乳類細胞を培養する場合には、37℃、CO2濃度5%のインキュベーターを利用します。またトレイに水を入れて内部の湿度を約95%に維持します。

バクテリアもまた、37℃のインキュベーター又は暖かい部屋で培養します。バクテリア細胞を短い時間で素早く増殖させたいときには、振とう培養機を利用します。振とうさせることにより、栄養がチューブの底に沈殿することなく十分にバクテリアに行き渡ります。

急速に加熱又は沸騰させるには、これまでホットプレートが利用されてきました。今日では、電子レンジも同様に使用されます。

ここで、実験で加温が必要となる理由を考えてみましょう。

熱固定は、バクテリアや生体高分子のような生物サンプルを染色用のスライドガラスに添付するのに簡便な方法です。ここでは、熱固定により染色体の広がりを観察できます。

かき混ぜながら加熱することで、より短い時間で固体試薬を溶解させることができます。これは寒天末を溶かしているところです。

多くの生細胞を使った実験では、必ずインキュベーションを行います。Incucyte incubatorを使うと細胞増殖をリアルタイムでイメージングでき、培養プレートをインキュベーターから取り出す必要がありません。

ライブセルイメージングには、デスクトップ型の顕微鏡を利用することもできます。ここではイメージングインキュベーター内に細胞が維持されており、ある刺激を与えたときの細胞の動きを観察でき、さらに録画も可能です。

ここまで実験室での23℃以上の温度コントロールについてご覧いただきました。このビデオでは、細胞を温めるための一般的な実験器具、又細胞、溶液に応じた加温器具の紹介、さらに実験で温度コントロールが求められる理由について解説しました。ご覧いただきありがとうございました。温度計は慎重に扱いましょう。

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