ショウジョウバエのメンテナンスと飼育

Biology I

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Summary

ミバエとしても知られるキイロショウジョウバエは生命科学の研究に頻繁に用いられるモデル生物です。キッチンにバナナを長い間放置すると寄ってくるハエとは違って、研究に使用するショウジョウバエは、丁寧な飼育とメンテナンスを必要とします。

このビデオでは、健康なハエの保持に必要不可欠なステップを説明しています。まずはショウジョウバエのエサとなる酵母、糖を含有する培地の準備、保存方法を紹介しています。次に、ショウジョウバエの飼育に最もよく利用されている容器の紹介、ハエの移動のさせ方、容器の交換時期などを説明しています。最後に、生物学実験を行う際の飼育や摂食条件の適用例を学ぶことができます。

Cite this Video

JoVE Science Education Database. モデル生物I: 出芽酵母、ショウジョウバエ、C. elegans. ショウジョウバエのメンテナンスと飼育. JoVE, Cambridge, MA, (2017).

キイロショウジョウバエ研究の成功の鍵は、適切なメンテナンスと飼育方法です。 このビデオでは適切なエサ、飼育場所、ハンドリングについて説明していきます。

キイロショウジョウバエは単にショウジョウバエとも呼ばれ、果物の発酵により増殖する酵母のような微生物を常食とします。 研究室では実用的なエサが使われています。

エサにはいくつか種類がありますが、必須成分である糖と酵母はすべてのエサに含まれています。 次のレシピは膨大かつ様々なハエを保有していることで有名なブルーミントンのインディアナ大学のものです。 成分は、滅菌水、酵母、大豆粉、イエローコーンミル、固形化するための寒天、コーンシロップ、カビやバクテリア繁殖防止のためのプロピオン酸です。 それらに熱をかけ、かき混ぜ、プラスチック培養試験管にポンプを使って分注します。 それからコットンで蓋をし、ラップをして4度で冷却します。 固形化したらオートクレーブで滅菌します。

エサについて少し知ったところで、次はハエの飼育場所、取り扱いについて見ていきましょう。 ハエの飼育にはいろいろな容器が使われます。 バイアルは50匹から100匹のハエを飼育するのに使います。 大きなボトルを使うと300から600匹のハエの飼育をすることができます。 何百ものバイアルやボトルがインキュベーターの中で保持されています。 通常ハエの飼育条件は、温度25℃、相対湿度60から65%に設定されています。

ハエを扱う場合、適切なラベリングと情報管理、ハエの系統保持、そして実験のために常にきれいな環境を整えておくことが大切です。 さなぎの約半分が羽化、もしくは脱皮したら、容器を交換する必要があります。 脱皮後の皮ははっきりと現れます。 ちなみに、蛹期(ようき)は幼虫期と成虫期の間にあたり、幼虫が成長し大人になるまでの期間です。 さなぎの皮をはっきりと見分けるために、容器を光源に近付け、さなぎを観察します。

ハエを新しい培地へ移動させるには、「フリッピング」という方法を使います。 ちなみに培地とはハエのエサのことです。 ハエをフリッピングする前に、培地を確認します。 乾燥で割れたり、カビやバクテリアが繁殖していると生存できません。 フリッピングするには、まずバイアルの端を軽く叩き、ハエをバイアルの側面に集めます。 そして素早く蓋を外し逆さにして、新しい容器にハエを移します。 ハエに逃げられたり、蓋で潰したりするのを防ぐため、そしてフリッピング時、ハエをすべて確保するためにこの操作は迅速に行う必要があります。

To flip flies, first, tap the fly vial gently on the counter to knock flies off the sides of the vial. Then quickly remove the stopper, and invert the flies from the old container rapidly into a new one. This process is done rapidly, to prevent flies from escaping or being crushed by the stopper, and to prevent loose flies from entering the vial during flipping.

ハエのフリッピングはショウジョウバエの大量移動に適しますが、 一方でハエの選別の際には麻酔を使います。 ここでは、低温麻酔と炭素ガス麻酔の2種類の方法を見ていきます。 ハエを冷却するため、培地をマイナス20℃の冷凍庫に8分から12分入れます。 そして選別のために、冷却した平らな台にハエを置きます。 また表面が凍結した台に直接置いて麻酔することもできます。

炭酸ガス麻酔は、急性死亡率が低く研究者への危険も少ないので、より好ましい方法です。 炭酸ガスを送るために、CO2タンクからチューブに接続された針を通して、容器の中のハエに麻酔をかける構造になっています。 また顕微鏡下で分析できるようチューブは麻酔台にもつながっています。

麻酔をかけるには、針を使って蓋の隙間から炭酸ガスを送り込みます。 もしくは容器を軽く叩き、蓋を外し素早く逆さにして炭酸ガス麻酔台に置きます。 ハエが動かなくなるまでふたをしておきます。 ハケやカンシを使って、優しく新しい容器に移します。

不要になったハエはイソプロパノール又はエタノールにミネラルオイルを加えたボトルに漏斗をセットしたハエ捨て瓶に廃棄します。

ここまで、研究室でのハエの管理と飼育法について見てきました。 次は、各実験に適した飼育法やエサの条件について見ていきましょう。

実験によっては、より大量のハエを収容できる容器が必要になります。

この実験では、大容量の胚を収集するため、ハエポピュレーションケージを使っています。 ポピュレーションケージとは、何千匹ものハエを飼育できる透明のプラスチックボックスです。 研究者が、いくつかのボトルから必要なハエをポピュレーションケージに放しています。 ケージ内には寒天培地を置き、胚を集めます。

また実験によってはエサの調整が必要になります。

この実験では、トランスジェニックフライの逃避反応を観察しています。 ハエのニューロンに光活性化イオンチャネルを発現させることで逃避反応を制御できます。 ショウジョウバエのエサにこのチャネルの相互因子である「オールトランスレチナール」を添加し、チャネル活性化を促進させます。 そのエサを溶かし、試薬を加えます。(C’) それからハエに青い光をあてるとチャネルが活性され、逃避反応が引き起こされます。 飛び立つまでの時間を測定します。

実験によって様々なハンドリングや環境条件があります。

この実験では、運動効果を研究するために精巧な「パワータワー」が使われています。 パワータワーは上下運動を繰り返す機械で、重力に反して上昇するハエの反応の研究に使われます。 この反応は、「負の走地性」と呼ばれます。

パワータワーを用いて行ったハエのエクササイズの効果は、負の走地性を解析する、RING assayを用いて測定されます。 空のバイアルにハエを入れ、カメラの前にセットします。 バイアルをタップし上昇距離を記録します。 この実験から、コントロールグループに比べ、エクササイズを行ったグループは、運動能力が持続して高いことが分かります。

今回は、JoVEキイロショウジョウバエのメンテナンスと飼育法編を見てきました。 これでもうハエのエサ培地の準備、適切な飼育、ハエのフリッピング、簡単な実験を行うことができるはずです。 ご覧いただきありがとうございました。

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