キイロショウジョウバエの胚と幼虫の収集、準備法

Biology I

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Summary

キイロショウジョウバエの胚と幼虫は、操作がしやすく成長が早いという特徴を持ちます。そしてその発生メカニズムはヒトを含む他の生物と類似しています。こういった理由から、ハエの胚と幼虫は、行動から発生生物学に至るまで様々な分野の研究に貢献しています。しかしながら、これらを用いた実験を行うには、まずその胚と幼虫の収集が不可欠となります。

このビデオではまず寒天培地上のショウジョウバエ胚を収集するための「産卵カップ」の使用法について説明しています。その後胚の採取、dechorionationという胚の外膜を取り除く工程をご覧いただきます。次に、胚期に続く3段階の幼虫期でのショウジョウバエの識別、操作方法を説明しています。最後に、これらショウジョウバエ胚と幼虫の生物学実験への応用例をいくつか紹介しています。

Cite this Video

JoVE Science Education Database. モデル生物I: 出芽酵母、ショウジョウバエ、C. elegans. キイロショウジョウバエの胚と幼虫の収集、準備法. JoVE, Cambridge, MA, (2017).

キイロショウジョウバエの胚と幼虫は操作がしやすく、また、哺乳類と発生過程が類似しています。 胚と幼虫の収集、準備方法を学ぶことは、行動生物学から発生生物学に至る多くの実験プロセスで大切な準備段階です。 このビデオでは、ショウジョウバエの胚と幼虫の収集、採取の標準的な手法と、この多彩なモデル生物の重要な適用について話していきます。

ショウジョウバエの胚は、卵母細胞内の勾配として発現するmRNAに始まり、前後体節形成ボディプランを形成する遺伝子に至るまで、どの遺伝子により発生が制御されているかを洞察するための研究材料となります。 例えばホメオボックス遺伝子のようないくつかの遺伝子は、昆虫と哺乳類の間で高度に保存されています。 豊かな自然界のショウジョウバエの 胚は、厳しい環境やケミカルにも強く、研究に極めて実用的です。

受精後、一匹のメスのハエは一日に100個の胚を作り出し、その12~15時間後には、幼虫にふ化します。

ショウジョウバエの胚を操作するためには、まず胚を収集しなくてはなりません。

胚は、産卵カップと呼ばれる産卵箱で収集します。 産卵カップは、容器に穴をあける、もしくは一部をカットし、そこを通気性のある多孔質材で覆います。 それから、りんご又はぶどうジュース寒天培地を用意し、酵母ペーストでストリーキングします。 酵母ペーストは産卵を誘導します。

素早くハエを産卵箱に入れ、箱をひっくり返します。 それにより培地が底になり、培養可能になります。 適切な時間培養したら、産卵箱を再びひっくり返し、台の上で数回叩きます。 ハエは底に落ち、軽く見当識障害を起こします 。 酵母ペーストで層をつくった新しい寒天培地に素早く交換します。 最も適した胚を収集するために、培地は1から3時間毎に交換します。 培地上、特に画線と酵母の近くに、何百もの胚を得ることができます。 メスとオスそれぞれ20匹のハエは、一時間で100から200個の胚を作り出します。

素早くハエを産卵箱に入れ、箱をひっくり返します。 それにより培地が底になり、培養可能になります。 適切な時間培養したら、産卵箱を再びひっくり返し、台の上で数回叩きます。 ハエは底に落ち、軽く見当識障害を起こします 。 酵母ペーストで層をつくった新しい寒天培地に素早く交換します。 最も適した胚を収集するために、培地は1から3時間毎に交換します。 培地上、特に画線と酵母の近くに、何百もの胚を得ることができます。 メスとオスそれぞれ20匹のハエは、一時間で100から200個の胚を作り出します。

胚の回収に必要な道具は、多様な大きさ、形状のろ過器又はふるい、絵筆、蒸留水です。 まず、培地を蒸留水に浸し、胚をほぐし、絵筆で表面を優しくブラッシングします。 次に、その混合物をふるいにかけ、液体を除去します。 胚を水で洗います。

その後dechorionationと呼ばれる、胚の硬い外膜である絨毛膜(じゅうもうまく)又はコリオンを取り除く作業をします。

Dechorionationとは、絨毛膜から胚を切り出すことです。 代わりに、50%漂白剤に胚を浸すこともできます。 絨毛膜が溶けるまで2分から10分かかります。 付属肢が消失するまで行います。 漂白剤による損傷が無いか確認するため、むき出しになった胚を蒸留水でしっかりと洗い流します。 Dechorionationは、マイクロインジェクションやライブセルイメージングをするために必須となります。

ここまでで、胚の生態、収集、採取法について何となく理解できたと思います。 次のステージは、ショウジョウバエ幼虫期です。

ショウジョウバエの幼虫期は、さらに3段階に分かれます。 最初の1日は1齢、次の1日が2齢、その次の2日間が3齢幼虫です。 1齢、2齢幼虫は、交配後1日から3日バイアル中のエサ周辺に現れます。 4日目には、3齢幼虫が容器の壁を登り出します。そこで、 蛹になります。

幼虫は、成虫原基をもつため頻繁に実験に用いられます。 成虫原基とは、 部分的に発生した器官で、すでに成虫における発生運命が決定されています。 例えば、眼成虫原基は成虫のハエの眼に、触角原基は触角に、羽原基は羽になります。 羽成虫原基の研究は、ショウジョウバエのパターン形成に関するホメオボックス遺伝子の役割などの発見につながっています。

幼虫の収集は、ハエを移動させる必要がないので胚に比べ簡単です。

ピンセット又はスパチュラを使って、幼虫を移動させます。 大量に初期の幼虫を集めるときには、ショ糖液を用いた方法を使います。 ショ糖液の密度が高く、幼虫が浮くので、収集できます。

ショ糖液をバイアルに加えると、幼虫が浮き上がってきます。 ローテータでバイアル内の餌を除去します。 それからブラシかピペットを使って幼虫を移動させ、実験用に採取します。

ここまで、胚と幼虫の収集、採取方法について取り上げてきました。 次に実験への応用について見ていきましょう。

ショウジョウバエの幼虫は移動性が高く、行動実験に適用されます。

これは、クローリングアッセイです。 ある条件下でのショウジョウバエの自発運動を評価できます。 クローリングアッセイでは、幼虫の移動距離を測定し、運動機能における薬の効果を調べることができます。 収集した幼虫を、運動性を妨げるショ糖液に浸します。

マイクロインジェクションは、カスタマイズした環状プラスミドDNAを導入することで、遺伝子組み換えしたハエを作成する手法です。

胚を両面テープ上で転がし、絨毛膜を物理的にはずすことができ、化学物質等によるダメージの心配がありません。 それから、GFPのような蛍光レポータータンパク質がチューブリンに発現するようにコードされたプラスミドを導入します。 その後、そのトランスジェニックフライラインを用いて、有糸分裂などの細胞プロセスを観察できます。

蛍光in situ(イン サイチュ)ハイブリダイゼーション法で転写産物を観察できます。

この実験では、胚全部を使い、目的のmRNA転写産物を観察しています。 dechorionation用二層性溶液を用いることで、胚が固定され、そのまま染色できます。 胚は下層にいきます。 免疫蛍光染色後、蛍光顕微鏡で目的タンパク質の存在を確認できます。

今回のJove、胚と幼虫の収集、準備方法編では、胚と幼虫の採取と準備過程、そして初期の器官形成に関わる重要な研究応用について学びました。 ご覧いただきありがとうございました。

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