4.4:

原核細胞

JoVE Core
Biology
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JoVE Core Biology
Prokaryotic Cells

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01:51 min

March 11, 2019

原核生物は、古細菌と細菌のドメインに属する小さな単細胞生物です。細菌にはサルモネラ菌や大腸菌などの多くのありふれた生物が含まれ、一方古細菌は火山性の湧き水といった過酷な環境に生息する極限環境微生物が含まれます。

すべての原核細胞は、真核細胞と同様に、細胞膜に囲まれ、遺伝的説明書を含んだDNA、細胞内部を満たす細胞質、タンパク質を合成するリボソームを持ちます。しかし、真核細胞とは異なり、原核細胞には核や膜に包まれた細胞内小器官がありません。原核生物では、通常1本の円形状の染色体からなるDNAは核様体と呼ばれる領域に群がっているものの、他の細胞成分は細胞質内を自由に漂っています。

多くの原核生物は、細胞質の中にプラスミドと呼ばれる小さな円形のDNAを持ちます。プラスミドは核様体の染色体DNAとは異なり、抗生物質耐性の遺伝子といった数個の遺伝子だけを持つ場合が多いです。プラスミドは自己複製し、原核生物間で伝搬することが可能です。

ほとんどの原核生物は、細胞膜の外側にペプチドグリカンでできた細胞壁を持っており、物理的に細胞を保護し、さまざまな環境下で浸透圧を維持するのに役立ちます。また、多くの原核生物は、細胞壁を覆う粘着性のカプセル層を持っており、生物が基質や互いにくっつくことを可能にし、さらなる保護機能を与えます。

原核生物は膜に結合した小器官を持ちませんが、シアノバクテリアの光合成のように、特殊な機能を果たす細胞膜の内部構造を持つものもあります。したがって、原核生物は真核生物に比べて単純ではあるものの、複雑な機能を果たすためいくつかの独自の構造を持っており、広く様々な環境での生息が可能です。