エキソサイトーシスは、細胞から物質を放出するために用いられます。他のバルク輸送機構と同様に、エキソサイトーシスにはエネルギーが必要です。
エンドサイトーシスが粒子を細胞内に取り込むのに対し、エキソサイトーシスは粒子を取り除きます。放出される物質はシグナル分子の時もあります。例えば、神経細胞は神経伝達物質を放出するため一般的にエキソサイトーシスを用います。細胞はまた、イオンチャネルなどのタンパク質を細胞膜に挿入したり、細胞外マトリックスで使用するタンパク質を分泌したり、廃棄物を放出するのに、エキソサイトーシスを利用します。
真核生物のエキソサイトーシスには、主に制御型と非制御型(または構成型)の2種類があります。制御型エキソサイトーシスは、外部シグナルが必要で、神経伝達物質の放出やホルモンの分泌に用いられます。制御型エキソサイトーシスとは異なり、構成型エキソサイトーシスはすべての細胞で行われます。細胞外マトリックス成分の放出や、タンパク質を細胞膜に取り込む際、構成型エキソサイトーシスが用いられます。
制御型エクソサイトーシスには5つの、構成型エクソサイトーシスには4つの主な段階があります。
第一段階は小胞の輸送で、小胞は物質を細胞膜へ運びます。モータータンパク質が、小胞を微小管やフィラメントの細胞骨格に沿って能動的に移動させます。第二段階は小胞のテザーリングで、小胞が細胞膜に結合します。第三段階の小胞ドッキングでは、小胞の膜が細胞膜に付着し、2つの膜が融合し始めます。
第四段階の小胞プライミングは、制御型エキソサイトーシスでのみ起こります。小胞プライミングには、小胞の着地後、内容物の放出前に起こる修飾が含まれます。プライミングでは、小胞を細胞膜と融合させるために、小胞の準備を行います。
第五段階は小胞の融合です。小胞融合には、完全融合とキスアンドランがあります。完全融合では、小胞は完全に崩壊して細胞膜の一部となり、その過程で内容物を細胞外へ排出します。キスアンドラン融合では、小胞は再利用されます。小胞は一時的に細胞膜と融合した後、内容物を放出して細胞内へと戻ります。