コウモリと鳥の多くは どちらも羽根を羽ばたかせて 飛ぶ能力を持っています。これらの2つのグループは 共通の羽根を持つ祖先から 進化したように 見えるかもしれません。実際のところ、コウモリと鳥は 近縁の種ではなく、共通の祖先は 地上性の四本足の 動物にまで遡ります。このような 翼の進化は 収斂進化—同等の機能を有する 類似した特徴が個別に進化すること の一例です。鳥とコウモリの 形態を詳しく 調べてみると、飛ぶ能力は幾度も 進化してきたことが分かります。鳥類の手と手首の 骨は融合し、羽根が 浮力を産み出すための 面積を広げています。飛翔中、鳥は後肢を しまい込みます。対照的に、コウモリのI 指の骨は長く伸び、大きく広がった 皮膚によって 羽根が作られています。また、コウモリの後肢は 飛翔中に大切な 役割を担っています。そのほかにも、収斂進化の例は クジラと魚の間にも 見られます。クジラは子育てをし、肺呼吸をする 恒温動物です。魚は外温動物で、産卵し、エラを使って呼吸します。しかしながら、水中で生活するために 必要な条件を満たすため、クジラと魚には類似した 機能が進化しました。どちらのグループも 水中を動きやすい ヒレと流線型の体型を 持っています。クジラと魚の間に 近い共通の祖先は いませんが、それでも 収斂進化によって、類似した機能と特性を持っています。