講師]全ての生物はエネルギーの摂取と、成長、生命維持、そして繁殖に必要なエネルギーの バランスを取らなくてはなりません。エネルギーが繁殖に使われば、成長や生命維持にエネルギーを使うことができなくなり、最終的にはその個体の寿命が短くなるのです。植物のリュウゼツランのように、一回繁殖」と呼ばれる戦略を用いる生物がいます。この戦略は自分の持つエネルギーの大部分を 死ぬ前のたった一回の繁殖に注ぎ込むものです。作り出される種子の一つ一つが持つエネルギー量は比較的少なく、たぶん多くの種子が発芽しないでしょう。その対極にあるのが「多数回繁殖」で、野ウサギなどの種は一生の間に 多数の子供を産むのです。この場合、親としての子供の養育に より多くのエネルギーを費やし、個々の子孫の生存の確率を高めるのです。